2020年09月20日
長い夜
長い夜を迎えた今年のルマン、トップ快走中だった小林可夢偉の7号車がピットに張り付いたまま動きません。
2位、3位のライバルたちにも抜き去られ、コクピットに座ったまま腕組みしてしまう可夢偉、時間の経つのがこんなに遅く感じられることはありません。
30分近くも経ってようやくゴーサイン、実はターボトラブルの為交換を挙行した結果でした。トップとは7周の差、3位のクルマからも4周の差がついてしまいました。
これだからレースゴールまで何が起こるか分かりません。何より同じ部品を持つ8号車に同じトラブルが起きないという保証はありません。メカニック達は気が気じゃありません、多分。
いつもよりもずっと遅く開けた夜明けはことさら美しく感じられるものの広大な観客席には人っ子ひとり見当たりません。テストデイでもこんなに空っぽの客席などあったでしょうか?
3位、4位のタイム差はざっと400秒以上、一周ごとに2秒くらい詰めた程度ではゴールまでに後ろ姿を捉えることもままなりません。4位キープで良しとするか?あくまでダブル表彰台狙いでペースを上げるか?としてもクルマに負担をかける事はリスクが大き過ぎます。
...長丁場だと思っていた24時レースもあと20分足らずになり、イエローコーションのお陰で3、4位のタイム差は3秒ちょっとにまで縮まりました。表彰台も射程圏内!でしたが、燃料がどうしても足りないと見えて最後のピットイン。最小限の燃料補給で戦線復帰しますが、表彰台までは20秒ほどの差、逃げる相手も必死のはず!
果たして最後の数分で逆転劇を見ることになるのか?先頭の8号車は5周近いリードの貯金があるので無理は禁物、中嶋一貴にはしっかりと表彰台の頂点を踏みしめて欲しいものです。