2020年09月08日
最悪の将軍
徳川五代将軍・綱吉といえば、生類憐みの令であまりにも有名なばかりか、最悪の将軍の汚名まで着せられて、
朝井まかての小説、最悪の将軍はそんな綱吉の在任期間をヒューマンな目線で描いた作品です。妻、信子との機知に富んだ会話、思い悩まされる後継者問題、諸大名と民を同じウエイトで重視し、犬猫、牛馬に至るまで生命を大切にしたその思想に焦点を合わせます。
合わせて読んだ経済で読み解く日本史by上念司によると、徳川家の財政は三代でほぼ空っぽ、汲々の台所事情だった筈。なのに富士山は大噴火するわ、大地震は連続するわ、おまけに殿中で斬りつけ事件が発生、後々語り継がれる忠臣蔵の大事件が起きるなど、可哀想な一面も覗かせます。
国民に2枚のマスクを無料配布とするも、2度の消費税アップに数多多くの閣僚辞任。桜を見る会疑惑、森友・加計の各学園問題に関しても疑惑は疑惑のまま国会の論戦で解明される機会は失しました。アの付く夫人も都民の自主規制が解ければ好きなだけ温泉旅行に行けるように。
為政者としての評価が定まるのは五年、十年先のこと。とは大老柳沢吉保の言。今回、辞任を口にした宰相は果たしてどんな評価を受けるのでしょう?
そんな総理の後継者を選ぶのがきょう告示された自民党総裁選挙。3人並んだ候補者が1年後の任期を迎えて再び総裁選に顔をそろえる頃にはもっと多くの顔ぶれが総裁レースに名乗りを上げることでしょう。その時に今回の候補たちがどんな闘いを見せるのか?衆議院のメンバー構成はどう変化しているのか?
これから日本の政治は大きな転換点を迎えるかもしれません・・・・・