2019年11月05日
㊗TIFFの申し子・受賞
今回の東京国際フィルムフェスティバル・日本映画スプラッシュ 監督賞に輝いたのは渡辺紘文監督・・・・
TIFFの申し子とさえ呼ばれる監督の作品を見たのは2013年の第26回のこと・・・・
あれから、2016年に『プールサイドマン』が同部門で作品賞を受賞するなど、今回の『叫び声』で5作品目。
6年前の作品同様、白黒で仕上げられた作品には今回も102歳になる祖母が出演、しましたが惜しむらくは今夏に逝去されたとのこと。
渡辺作品のレギュラー出演者でもあったので、貴重な作品となりました。
6年前の第26回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門・正式出品作品の中でも最低の予算額、と評判の映画(監督本人が選出の報せにもっとも驚いたという)をもう一度、振り返ってみることにします。
「そして泥船はゆく」 大田原愚豚舎第一回作品、
渡辺紘文長編映画初監督作品、渋川清彦長編映画初主演作品
舞台は栃木県大田原市周辺、職のないバツイチオトコの元に
父を尋ねて家出同然の少女がスーツケースを引き摺り
転がり込んで来る。 養育費をせびりにくる元妻は娘に逢わせて
くれない。そんなオトコにパチンコ店で声を掛けた怪しげな男が
云うリスキーなおいしい「仕事」とは一体?・・・・
共演の老婆は監督の実祖母(96;当時)プールの監視員で資金を溜め,
弟がフルオーケストラの曲を書き下ろし。主演は演劇仲間の渋川清彦で
二つ返事で出演を承諾.ファミリーメイド感漂うローカルムービーながら、ドリュメンタリータッチの展開にラストへの期待は高まります
・・・・・・・
(映画監督/脚本家/舞台演出家/渡辺紘文@Foolish_Piggie (twitter)
大田原愚豚舎の特集上映が東京・アップリンク吉祥寺で11月14日まで開催
友人、家族もさることながら,この映画に使われたのは
予算50万円のかなりの部分を占めたであろう一眼レフカメラ=
Canon EOS 7D ??
APS−CサイズCMOS装備のフツーの市販デジカメ。
マニア向けのちょっと高級な一眼レフだけど
フルハイビジョンサイズの動画と音声も撮れる。
撮影素材は当然デジタル,それも膨大な量のファイル群
フィルム代を気にせず何テイクも撮り直しが出来て、
モノクローム風仕上げも簡単に出来上がりを確認出来る。
おまけに審査員の目にとまれば世界的な映画祭にも出品出来る・・・・・何度でも
これは映画界のひとつの革命的事件だと思いますよ
世界でトップクラスのコストパフォーマンスの高い作品
上映を見終わって,渡辺紘文監督に直接確かめて,印象がガラリと変わった・・・・・
脚本の如何を問わず、今回最も衝撃的な「映画」なのでした。