2019年11月02日
私たちの居場所(Where We Belong:THAI)
東京モーターショーもラグビーW杯日本大会も神田古本まつりも11月に入って佳境を迎える中、タイの人気アイドルグループ=BNK48のメンバーが18歳の揺れる女心を演じているのが国際フィルムフェスティバルで上映された「WHERE WE BELONG ~私達の居場所」です。
日本のどこにでもいそうな顔立ちのスーとベルは仲良しのガールズ・バンド仲間 。スーは家業の食堂を継ぎたくなくて奨学制度で海外留学を画策中。
面接の時、英語のスキルアップだけでなくバンド仲間のとりまとめも友人関係も姉弟関係、大学生のカレとの関係etcと整理するべき問題は山積み・・
おまけに親の許諾サインが無ければ肝心な書類を提出することすらも出来なくなる!
せっかく買って来たスーツケースの車輪は外れるし、パッキングもままならぬスーは無事にフィンランドに旅立てるのか?
アイドル・スター達の瑞々しい魅力を余すところなくカメラに納めたコンデート・ジャトゥランラッサミー監督に最初オファーされたのは「BNK48のメンバーを映画の主役に起用して欲しい」というもの
出来上がったシナリオを元にメンバー一人一人とじっくり話し合い、キャストにぴったりな人材=ジェニスBNK48とミュージックBNK48が決定
2人にはとても親近感が湧きます。演技も無理な感じがなく、自然にキャラが滲み出ているようです。
ジェニスBNK48の泣き顔はこの映画のハイライトとなるのかも!ミュージックBNK48はこの後TVドラマにも出演するなど個性派女優としての活躍も期待できそうです。本人はアイドル活動の方が好きなんだそうですが・・・
監督自身の経験も織り交ぜられた脚本にはあまりにも選択肢のなかった昔のタイ女性の生き方というテーマが織り込まれています。同時に今のタイの若者が感じている身の置き所のなさも浮き彫りに。少女たちの叙情詩的にも見える映画は実のところタイの実情を物語っている作品とも言えそうです。