2019年09月11日
やっちゃう?、永さん
お堅い岩波新書でダブルミリオンの大ヒットを飛ばした『大往生』著者は放送作家で作詞家、ラジオパーソナリティーとしても長年のキャリアを重ね、もちろん作家でもある永六輔さん。その大往生誕生までの経緯を編集者の立場からまとめたのが今回の本。
永さんと言えばとにかく様々なエピソードに事欠かない人で,その多彩さ、多才ぶりは他の誰もが束になってかかっても敵わないことでしょう。
大往生が刊行されるよりはるか昔、永さんの著書を読みふけっていた時期がありました。コミカルな語り口は当時からのもので様々な笑えるネタが満載。その一端を紹介すると・・・・
・・・・とある日、さる組のお偉いさんの大きな屋敷に招かれる機会があったのだとか。部屋には大型のブラウン管にドラマや映画が映し出されていましたが、子分衆が一堂に会して画面に見入っている、しかし音量はゼロ。親分の指示により子分たちが即興で役者たちの口に合わせてセリフを当ててゆきます。これがそのお宅では恒例の行事なのだとか。そして、セリフも最初の一言は必ずこの一言で始まるんだそうです・
「トイレはどこだ」
数々の名画も人気ドラマも主人公たちはトイレ探しで右往左往するのだとか・・・・・・
永さんの最も尊敬すべきところは自分をリスナーと常に水平目線に置いているところ。ラジオ局に寄せられた何万というハガキには一枚一枚、すべて返事をしたためていたとか。ずいぶん前に聞いた逸話でしたが、その後もずっと続けてこられたと聞いて、ますます頭が下がる思い。
まだまだ、永さんを巡るエピソードは枚挙に暇がありませんが詳しくはこの本を読んでみて・・・・・・・