2019年09月03日
伝説のF
CDプレーヤーって何ですか?
そう遠くない未来に女子ADからこんなこと聞かれても驚かないように、今から心の準備をしておいた方がいいのかも?
国立科学博物館が「重要科学技術史資料」(愛称:未来技術遺産)にポータブルCDプレーヤー、ニコンのF(初代;1959)カメラなどが選ばれました。
他にも電子オルガンの第一号機やシンセサイザーのDX7など重要な鍵盤楽器も名前を連ねています。
ニコンのF,そりゃあ高校時代から高根の花の存在で、自分が所有なんてとても考えられなかったプロフェッショナル機材でした。
漸く中古の一台を手に入れられるようになったのは価格も落ち着き始めたつい十年ばかり前のこと。今でもフィルムを買ってくればちゃんと写真を撮ることができます。たとえ、電池が無くっても、そこが極寒の極地だろうと晴天の日向ならばシャッタースピードを1/125、絞りをf=8か11にセットするだけで準備完了(iso100フィルムの場合)金属製のどっしりとしたボディはこの先数十年経っても多分その魅力と共に劣化しそうにありません。
メルボルン五輪開幕を前に発売されたのが初代のF。以来札幌、モスクワ五輪の前にモデルチェンジされてF4はソウル、F5はアトランタ大会に間に合う発売タイミングでした。
以降はデジタル時代の到来、シドニー大会では過半がデジタル送信された写真で埋まり、F6が報道現場で活躍する姿はほぼ見られません。
40年以上も前の商品が道具として今も立派に流通する、そのこと自体驚きですが、半世紀たっても機械としてちゃんと仕事をこなしてくれるツール、ケータイやPCは20年前の商品ですら、もう見かけません。最近ほとんどフィルムを現像する機会もなくなりましたが、久しぶりにフィルムを通してシャッターを切る感触を味わってみたくなりました。