2019年08月29日
米軍が最も恐れた・・
今読み進めている真藤 順丈 の第160回直木賞受賞作 宝島(まだ読み終えてない)にも実名で登場する沖縄の政治家が瀬長亀次郎です。沖縄の主権奪還に奔走し、民意を束ねアツいムーブメントとして米軍占領政治に立ち向かっていったエネルギッシュな男です。
その家族愛と沖縄占領終結に向けた歴史の流れを描いたのが、公開中の映画"米軍が最も恐れた男"カメジロー、不屈の生涯です。満席の客席には第一作を見たファンも多いと見えて、終演後には盛大な拍手が沸き起こりました。土曜日の番組、RADIO DONUTS(ラジオ・ドーナッツ)でも紹介されているので是非、radikoのタイム・フリー(~8/31)でご確認ください。
映画作品といってもメインは山根基世アナによるナレーションと役所広司の語り。そこに膨大な資料映像とインタビューをインサートして坂本龍一の書き下ろし曲で彩ったドキュメント。佐藤栄作総理との国会質問の貴重なフィルムも12分間にわたって盛り込まれる等、テレビ番組の枠内では実現不可能な贅沢な構成。
見逃せないのは米軍が沖縄に対して行ってきたあの手この手の「汚い手」の数々。亀二郎の被選挙権を停止したり市民への水道供給を遮断したり、伝えられる土地の強制接収などよりも遥かに悪辣な手を繰り出します。
アメリカが沖縄を返還した決断も実は止むに生れぬ事情に迫られてのこと。交換条件として提示したものは・・・・・
真藤順丈作品の中にも登場するカメジロ―、著者の表現を拝借してみると、曰く「一坪の土地も売り渡すなと島民を鼓舞し、誰よりも勇ましく反米・反基地を訴える愛郷の人、虐げられてきた沖縄の魂が連れてきた稀代の革命家!」「聴衆の心を揺さぶる壇上のエンターテイナー」etc
佐古忠彦監督は取材経験も豊富なTBS報道局のベテラン、これが二作目の作品ですが、最初の作品のあまりの反響の大きさに違った視点から二作目の制作を思い立ったとか。上映後には亀二郎の次女・内村千尋さんと共に登壇し熱い思いを語っていました。期待通り、今回の作品も大歓迎を受けていることは言うまでもありません。
ユーロスペース(渋谷区円山町1-5. )にて公開中