2019年06月04日
運転再開も
開業から30年近くも経つ横浜のシーサイドライナー、前代未聞の逆走事故が起きました。
前進と後進を間違えた、ただその一点だけのエラーで多数の負傷者を出すに至っています。自動運転の是非が議論されていますが、他の鉄道や自動車と違って踏切の無い専用軌道上を走る新都市交通システムはどちらかと言えばエレベーターの仲間と言ってもいいくらいです。停止位置にぴたりと止めて、次のドア位置まで自動で発進・停止。違うのは上下に昇降するかしないか。ではなくてワイヤーで拘束されているか、分岐点で進路を選ぶか否か、という点です。
電車の運転士なら、始業前に指差し確認して、前進、後退のスィッチを確認するはずです。想定に無かった逆転発進、そもそも端から発生しないこと、として考えられていたことが傷口を大きくしたのかもしれません。人間がそこに居れば異常事態を感知してプログラムに書き込まれていない緊急動作を実行できるはずです。その点、現状のプログラムは熟成不足の評価を受けても仕方ありません。
1981年に神戸ポートピアと同時開業したポートピアライナー以降、この手のシステムは東京、大阪を中心にあたりまえの存在になっています。38年の運用で重大事故が二件(大阪・南港ポートタウン線を含む)という数字をどう、解釈するかも論議を呼びそうです。
パソコンはクラッシュしない、プログラムにエラーはひとつも起こらない、暴走することはないと考える限り、こうした事故を未然に防ぐことは不可能です。自動運転は所詮、生身の人間の一部の仕事しか肩代わりできない、という事実をもう一度エンジニアたちには塾考してほしいものです。