2019年04月02日
全ステンレス製
昔の東洋工業、現在のマツダがロータリーエンジンに力を注いでいた70年代初頭の東京モーターショーに一台の異色のモデルが展示されました。
オールステンレスボディのカペラロータリークーペ、スカイラインGTやセリカに勝負を挑んだマツダの刺客がカペラロータリーでした。
ボディはワンオフの手叩き、固く曲げにくいステンレス鋼はプレスによる大量生産も難しく板金修理も難しそう。軽量化も溶接も鉄板の方が容易なので、腐食に強く塗装がいらないメリットを活かすには荷が重いようです。
しかし、50年近くも前の作品ながら、色艶は当時のまんま、あと20年でも40年でも美しく輝き続けそうです。
この車が出品されて間もなく、日本はオイルショックに見舞われ、ガソリン消費の多いロータリー車はたちまち在庫の山を築く運命にありました。5年足らずの間に20万台を生産したロータリーでしたが、マツダは経営不振に陥り銀行の介入を受けた挙句、外資の導入に向かって行きました。
70年代クルマの主流はロータリーに替わる、と銘打ったREでしたが、途端に売り上げの落ちたREはスポーツカーに特化したエンジンとして活路を見いだします。
ホンダが全アルミ製のNSXを実用化したのは、それから20年ほど後のこと。もちろん高価な車だから実現できた贅沢な手法ではありますが・・・・・