2019年03月09日
私のアイドルは・・
芽生え、悲しみよこんにちわ、森をかける恋人たち・・・・・「左利き」のブレイク以前から麻丘めぐみの大ファンでした。結婚、子育てに専念したあとは小劇場の舞台に役者として立ったり、制作の仕事を手がけるようになった嘗てのアイドル歌手、そのお姿を最前列で拝見する機会に恵まれました。
下北沢オフオフシアターで上演中の「#魚の目に水は映らず」(劇団東京フェスティバル)で主役を演じる彼女の役どころは東京大空襲を生き延び、定年退職を迎えた働く女性、語り部としてあの日の夜から戦後の昭和の暮らしぶり、あの日我が子を失った姉夫婦との交流を中心に描いていきます。
制作はJWAVEの番組作りにも携わるきたむらけんじさん(twitter.com/tokyofestival)
東京大空襲の夜、たまたま親戚の家を訪れていたばかりにっ空襲の犠牲となってしまった歌子。妙齢の娘を失った姉夫婦のもとへ毎年夏休みを過ごしに来る静子も、もうすぐ歌子の年齢に近づいてくる。彼女を迎える両親の目には静子はどう映っていたのか・・・・・・
舞台に出ているどのメンバーよりも若い16歳で歌手デビューした彼女、アイドル時代鼻にかかった甘くて高かった声も、ハスキーで落ち着いた声質に変わったものの笑うと口元にできるエクボは昔のまんま。数え切れない年月を経てもその魅力は健在でした。そんな彼女に夢中になっていたのは東京が激しい戦火にまみえていた頃から二十数年あとのこと。その間に日本の経済も鉄道も教育のポリシーも何もかも大きく激変しました。あの頃のオトナたちはそんなことすら知るすべもなくアイドルに熱中する若者たちをどんな目で見ていたんだろう?そんな思いも頭をよぎります。
今から遡れば二十数年前といえばモー娘やSMAPがポピュラーな存在になり始めた頃、決して手の届かない遠い過去とは思えません。そんな時間の経過の先には、昔あの激しい戦争に巻き込まれていたんだなあ、と昭和という時間の長さ、重さを改めて感じさせられた舞台でした。
・・・・・あす3月10日は74年前のこの日未明、東京西部にB29爆撃機の無差別攻撃を受けた東京大空襲の日です。