2018年09月20日
新世代「F」?
ミラーレスカメラ、といってもどのミラーがレスなのか?知らない人も多いとは思いますが、何となく小型軽量化路線ということはお分かり頂けるでしょうか?
先日発表されたニコンの新しいミラーレス一眼レフ・カメラがZシリーズです。
ニコンの代名詞とも言えるFマウント・レンズから大変革を図ったZマウントを新開発、
例えていうなら女子アナを全員20歳以下の女子大生に据えかえた位の大英断です。
精巧なライカ・カメラを超えるためペンタプリズムを使った一眼レフは戦後日本の精密工業の成長ぶりを象徴するような存在でもありました。80年代まではその三角屋根が一眼レフのトレードマーク。
そしてニコンのFマウントだけがこれまでずっと不変でした。だから、お古のレンズに最新のボディを組み合わせることも全然可能。祖母の成人式の振袖に妹が手を通せる、以上の汎用性です。
(参考までに撮影画像はニッコール・レンズAi35mmf2.0とD200の組み合わせ)
とはいえ、売れ筋のキヤノンを横目で見ながらニコンも新世代への脱皮を模索しているようです。元御三家の一画ペンタックスは40年前にKマウントに刷新、キヤノンは30年前,EOSシリーズに移行しています。分厚いカタログ(コンセプト・ブック)には新しいレンズマウントに注がれた開発者の思いがぎっしり詰め込まれています。カメラ・カタログとしては異例の企画、開発者たちが自ら被写体となっているのもユニークな試みです。
フランジバック16mm、これから間違いなく進むに違いないプロ・カメラの小型軽量化を見据えた戦略が見え隠れします。口径55mmという大口径はf=0・95のレンズ開発をも可能にしたもの。売れ筋のキヤノンEOSマウントへの対抗心もチラホラと伺えます。
新開発の広角レンズや大口径レンズの新製品には期待が持てますが、マットスクリーンに映りこんだミラー越しの虚像だって、まだまだ魅力的です。とりわけ星空の撮影や流し撮りの列車撮影ではミラーレスじゃない一眼が手放せません。