2018年06月21日
神様何故ですか?
インドネシア、デンパサールの人気ビーチ、クタ海岸沿いにある老舗のホテル。"ホワイト・ローズ"広大な敷地の一画には祈りの言葉が刻まれています。このホテルの目と鼻の先で2002年10月に起きた卑劣なテロ爆破事件後の犠牲者を弔うメッセージと神への祈りが綴られています。
"神様・私たちをお叱りになったのでしょうか?"
"神様、どうか我々をお許しください そして、お見捨てならないよう・・・"
9・11の翌年の10月12日、欧米の観光客らで賑わう目抜通りの混み合うクラブで事件は起こりました。日本人数人を含む160人以上が犠牲となり、事件現場にはモニュメントと噴水、それに犠牲者全員の名前を刻んだ碑が残されています。
イスラム過激派の名前を頻繁に聞くようになったこの頃、結局国内テロ組織による犯行と判りましたが、この場所をターゲットに選ぶということは、即ち最初から外国人が標的だったものと容易に推察されます。
デンパサールの市街地西側、綺麗な夕陽が海に沈むことで世界中の観光客を集めるようになったクタ海岸。そこに有名ホテルチェーンや高級ホテルが軒を連ねるようにひしめき合い、巨大なショッピングモールが賑わいを見せるこの場所がテロリストたちの目標に選ばれてしまったというのは、逆説的ながらそこが人気でも知名度でもNo. 1リゾート地だったからかもしれません
インドネシア人の優しい気質、マナーの良さは来てみればすぐに実感できます。街じゅうに停められているバイクの大切なヘルメットは殆ど施錠されぬままバックミラーに置かれただけ。そんな治安の良さが自慢だったインドネシア、改めてそんな神の島、平和の楽園が惨劇の舞台に選ばれてしまった事が残念でたまりません。