2017年10月06日
「本」がない!
ノーベル文学賞に輝いたカズオイシグロさん、どこの書店も在庫をかき回して探し出すのに一苦労の様子?これで、村上フィーバーは来年も続行が決定!書店ではイシグロバブルの到来が予想されそうな気配ですが・・・・・・・
久々に立ち寄った蔦屋書店,カーグラフィック誌のハイライトを再録したCG選書でベンツの新しいの出てないかな?と、いつものコーナーを逡巡するも見当たらない......きょうが初仕事という女店員を捕まえて尋ねてみると、代わりに出てきたベテラン氏が丁寧に答えてくれた。
発行元の二玄社もカーグラフィックの編集を手放し、車関係の配本は途絶えている.CG選書もほとんど残っていない、との由。そうだった、もうあのシリーズに続編は出ないのだ。おまけにこんな情報も!尾山台にあった専門書店「リンドバーグ」も今はなく、あとは原宿にある専門店くらいのもの。店頭にはチラホラ旧書の類も見受けられる・・・・・・
そうだったのか!新書の供給もこれからは多くを望めない世の中になってゆくらしい。何人か知人がいる車関係のライター達の食い扶持はこれからどうなってゆくのだろう?・・・・・
店頭に並んだ旧書を眺めていると、これも買った、あれも持っていた、というタイトルがやたらと目立つ。そういえば引っ越しを前にずいぶん手放したんだったよなあ~、と思いつつ、ひょっといたら巡り巡って今ここに並んでいる旧書たちは私の書棚に並んでいた本たち、そのものではなかったか???
近年古本市の類を見てもクルマ関係の書籍はほとんど絶滅状態。ライターの皆さんは早いところ鉄道関係かカメラ、ミリタリー関係に路線変更しておかないとヤバくない?と心配してしまいます。クルマ雑誌に熱を上げていたあの頃とは違い、これからは靴だの電話だの、つまらんカタログ雑誌ばかりが増えて、書店に向かう回数も激減するのか・・・・
2ドア・ハードトップのドアをあけ放ち、タバコをくゆらせながらコーナーを通り過ぎてゆくガソリン車のエグゾースト・ノートに聞き入って・・・・なんて言う昭和な体験も平成の年号とともに遠い昔の語り草になって忘れ去られてゆくのかと思うと寂しい限りです。
書棚に並んだ元・愛読書たち、再びお金を出して手に入れるのも癪だけど、誰かが手に取って書棚に加えてくれるのなら手放した甲斐もあろうかというもの。複雑な思いを胸に、一冊だけ見つけ出したCG選書を(お目当てのベンツとは違うブランドだったけど)早々にレジに運び、家路を急いだのでありました・・・・