2016年11月01日
三式戦闘機「飛燕」
大戦中、戦闘機を作っていたメーカーは多くが二輪車生産に転じています。三菱、中島(のちの富士重工)、そして川崎航空機(重工)・・・・今でも二輪車生産を続けているのは川重だけになりました。その設立120年を記念して今回特別公開されているのがこちら、岐阜工場で組み立てなど全体修理を行い修復・復元の作業を終えたばかりの三式戦闘機「飛燕」、現存する実物は大変貴重です。
1943年に制式採用された3式戦闘機、そのGTカーにも似た細長いノーズは星形エンジンでは決して真似できないスマートなもの、液冷でスーパーチャージャーを供えたレイアウトは、むしろムP51スタングや英スピットファイアーにも類似していて、(聞いた話ですが)事情を知らない連合国軍のパイロットたちはメッサーシュミットBf 109だと思い込んでいたくらいです。もちろん実物を目の当たりにしたのは今回が初めて。今まで知覧で展示されていたのを本格的に復元作業したもので、極力製造当時のオリジナルに沿った作業が行われています。エンジンに左右されるボディデザイン・・・・その高い依存度は車のスタイリングよりもはるかに上です。
過給機も燃料噴射もこの数十年来、自動車エンジンのトレンドアイテム。カワサキのバイクにもスマートで高性能なメカづくりのDNAが息づいているのでしょうか
飛燕からほぼ40年後に発売されたKAWASAKI 750TURBOは直列エンジンにターボ・チャージャーを組み合わせた超高性能バイク、3式の歴史を受け継ぐココロの飛燕です。
(ポートアイランドターミナル・大ホールで公開中:3日まで)