2016年02月05日
アカデミー候補作品
トムハンクスの主演映画で今でも思い出に残るのはNYが舞台のディズニー映画「スプラッシュ」人魚役の女優さんはあれからどこかへ消えてしまったがトムハンクスの活躍ぶりはご存じのとおり、アポロ13やフォレストガンプに大ヒット作、ダウィンチ・コード。すっかりいい歳のオッサンになったハンクスが最近ではウォルトディズニーを演じ、今回は国家の特命を受け重責を担う弁護士役で活躍します。
映画ブリッジオブスパイは、それほど大作といった雰囲気でもなく、事実に基づいたドキュメンタリータッチの物語で、熱演というか、力んだ感じもなく淡々とフツーに演じているところが余裕です。舞台は1960年ごろのNYと、まさしく冷戦まっただ中のベルリン。1対1のスパイ交換だけではない、難しいタスクをどのように解決するのか?セリフ劇として舞台化しても面白そうなストーリーです。
ハリウッド作品の常として、登場する車両の時代考証の正確さと旧型車の豊富さには頭が下がります。そして、超高高度を飛行して写真撮影中に撃墜されたドラゴンレディ(Dragon Lady)ことアメリカ空軍 U-2S (偵察機)の飛行前準備から撃墜後の降下までが克明に描かれているところは航空ファン必見のシーンと言えるかもしれません。ベルリンの町を疾走するボルボ1800Pの美しい姿も、実際にベルリンに存在したかどうかは別にして見逃せない名シーンとなるはずです。
CIAから極秘任務を託され、妻にも明かさずに重大なタスクを完遂して、我が家に帰りついたトムハンクスはどんな言い訳を用意していたのか?真実を知ったら家族や国民たちはどんな目を向けることになるのか?杉原千畝の物語同様、派手さはないものの見ごたえのある作品に仕上がっています。