2016年01月31日
原宿の小さなホンダのデザインスタジオ
新型車の開発のうちデザインが決定するまでには実に様々のトライが繰り返されるものです。去年話題をさらったホンダのS660の場合も同様。26歳の開発リーダーがまとめ役を担ったことも話題でしたがバブル期以来のオープンスポーツカーとあってそのデザインも簡単には決められません。そんな開発プロセスを写真や展示でつまびらかにしてくれるくれるイベントが原宿の近くで公開中です(無料;2月1まで)
「Honda S660 Design / Photo Exhibition」
会場:Honda Design Advanced Design Studio Tokyo
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-60-2 ~2月1日
デザイン開発の出発点は絵に描いたデザインスケッチ・何人ものデザイナーがアイディアを持ち寄りいくつもの対抗案の中から候補が選ばれます
ゴーサインが出されると実際に三次元の世界に具現化されます。工業用の特殊な粘土を使って何度も削ったり盛り上げたりを繰り返し、クレイモデルでイラストに描かれたデザイン画を目に映る形に仕上げてゆきます。最初は5分の1、そして実物大へすすみ、仕上げた表面にカッティングシートを貼れば実車と見紛うばかりのモックアップの完成です。
この段階でも,まだ対抗案と競っている場合も少なくなく、生産開始から販売終了後の数年先まで,ずっと世の中に残るであろうデザインを慎重に決めてゆきます。デザインするのは室内も同じ。実物大のモックアップを作って使う内装材の吟味、カラーコーディネートから使い勝手の検証まで,決めなければならないことは山の様にあります。
今回のイベントでは、晴れて市販車としてデビューしたホンダのS660を被写体として3人の写真家が競演しています。娘と旅に出た父親目線の旅日記があるかと思えば南の小島に渡った女性ドライバーの目線から撮られた作品、カメラマンのとらえたテーマも様々です。写真ごとに開発デザイナーの感想が添えられているのもユニークです。
ホンダのデザイン拠点の一つがこんな場所にひっそりと存在していたのも意外でしたが,これからも機会があれば催しを度々見てみたいものです。
(写真は全て撮影、掲載許諾済み)