2015年09月28日
Artwork of Dinh Q. Lê #South China Sea Pishkun
昭和４０年代をベトナムで過ごした子供達の脳裏に深く刻み込まれているはずの米陸軍ヘリコプター「ベル UH-1B イロコイス」戦争映画でもお馴染みの機種です。
アメリカ人の血税で作られた陸軍のヘリコプター，ベトナムの村と云う村を機関銃で掃射しまくり、２００万人の犠牲者と３０万人もの孤児を生み出したベトナム戦争の一翼を担いました。
ディン・Q・レ展：明日への記憶【森美術館にて】
（撮影は一部を除き全て可能です、是非カメラ持参で）
７０年代ベトナム戦争も末期に差し掛かると、撤退する兵士たちを満載した米海軍空母では積載しきれなくなったヘリコプターたちが容赦なく海上に突き落とされ，あっさり大量廃棄されてしまう悲しい運命を背負わされました。このニュース映像はベトナム戦争に敗北したアメリカの末路を象徴的に伝えるものとして非常に強く印象に残っています。
厚木飛行場に無表情のマッカーサーが降り立ってから３０年。日本を叩きのめしたアメリカがベトナムに敗北して苦杯を飲まされた瞬間でした
世界で最も活躍するベトナム人アーティスト、待望のアジア初個展！
10月12日（月・祝）まで＠森美術館
ベトナムを代表する芸術家ディン・Q・レの脳裏にも同じ光景が強く焼き付いていた様です。実写映像の海上に次々と落ちてゆくヘリコプター画像。正確にCG描画されたのはUH-1Bのみならず、民生用のロビンから大型のバートル機、当時は無かったベルAH-1Gヒューイコブラ戦車攻撃ヘリコプターに至るまで，多種多様なヘリコプターの墜落（着水）シーン。ベトナム戦争のあのシーンを覚えているのと、いないとでは大きく見方が違って来るでしょう。ベトナム戦争がテーマの展示はほかにも数多く，そのうちヘリコプターが占める割合も少なくありません。