2014年07月04日
Yamaha Tricity prereview
80年代には売れに売れた国内のバイク市場でしたが、最近はマイナス成長続き・・・・そんな中で唯一・活況なのが原付(二種)市場です。125cc以下のスクーターがこのカテゴリーで、二段階右折も30km制限もなく、任意保険の額もリーズナブル。いつの間にか増えちゃっても不思議ではありません。
そんな125ccクラスのスクーターに新顔が一台、ヤマハの3輪新型スクーターの登場です。
雪国ライダーならば先刻ご承知であるはずの、前輪グリップの重要性。これが失われると二輪車はあっという間に転倒のリスクに晒されます。その前輪が2つある、と云うことはその両方がいっぺんにグリップを失うリスクが極めて少なくなる(可能性がある)ということ。車線変更で白線を踏む時、濡れたマンホールの上を通過するとき、これまでは慎重に車体の向きを起こして前輪の上に重心が来る様気を遣っていた雨の日のライディング・・・・・この新しい乗り物でどれくらい安心して走れる様になるのか。興味津々です。
さて、その前輪を動かす仕組みは理屈は簡単、仕掛けは複雑です。二本の前輪の上下動はハンドル軸を中心にしたやじろべえのごとく、片方が持ち上がればもう片方は下がります。バンク角も常に並行、片足が何かに乗り上げれば半分だけハンドル軸が持ち上げられる計算ですが、一輪あたり二本のテレスコピック/ストラットが吸収してくれるはず。
いっぽう、ハンドル軸周りの回転はコドモ用の足漕ぎ自動車の様にタイロッドを動かします。おさらいすると車体に対してハンドル、車輪のロール方向の向きは常に並行。ヨー軸方向から見た三者の向きもまた然りです。
全制動を掛けた時の安定性も大いに期待出来るところです。アンチロック機構の助けを借りずとも、かなり効率の高いブレーキングが可能、ハンドルをステアさせた状態でもきついブレーキが握れそう・・・・と、試してみたい項目は山ほどあります。価格と性能のバランス、燃費、それにシート下のスペースが思った程広くはないことなど、ライバルに較べてまだまだ発展途上の部分もありますが、お試しの価値は充分にありそう。
思えば物心ついた頃にはよく三輪車に跨がって遊び回っていたものです。やがて自転車の補助輪が不要になり、四輪車に興味が移って、会社の駐車場が工事の期間中バイク通勤で二輪に目覚め、・・・・再び三輪車に戻って、くるのかなあ?