2014年06月02日
太陽王とアンドレ
いま渋谷ヒカリエで公演中の宝塚・星組『太陽王 ~ル・ロワ・ソレイユ~』≪Le Roi Soleil ≫ は実在のルイ14世(仏)を描いた大作。ベルサイユ宮殿を建てたのも,バレエを芸術として体系化したのも、独創的で洗練された「フランス風」の新しい料理を厨房係に命じ、ソースのプロトタイプが生まれたことさえも、数ある14世の功績のひとつでした。身分の如何を問わず有能な官僚を登用して財務・軍事以外の大臣を置かずに全てワンマンで采配を振い、低い身長を補う為にハイヒールとかつらを愛用したのも彼ならではの個性。とある身体的問題が理由で臣下たちに香水が流行ったのも、また功績のひとつに加えられるなど、その個性的な人となりはまさしくフランス王そのもの・・・・・
自動車の世界ではルイ14世に匹敵する存在としてアンドレ・シトロエンが挙げられます・・・・・
そのユニークなクルマ造りと大胆な経営方針,さらにはレジスタントとしての政治姿勢など、まさしくフランス魂とも云える存在であることは異論を挟む余地がないでしょう。
有名なトラクシオン・アヴァン(11CV)はミニやゴルフの大先輩、2馬力(2CV)は宮崎駿が今も保有しオフィス名にも使用、DS19は鉄のバネを空気とオイルで置き換え、ドゴール大統領も大のお気に入り・・・、いずれも他のメーカーが一目を置かざるをえない,希有な存在です。
実はこれら3台はいずれもミシュラン(世界有数のタイアメーカー;仏)資本の支配下で企画、生産されたもの。いわば,シトロエンがもっとも個性的/絶頂期にあった頃の製品で、のちにプジョーに買収されて以降は、残念ながらこれらをしのぐヒット作にお目にかかっていません。
そんなシトロエンも近年はラリーフィールドに君臨し,ブランドイメージを高める様々な工夫を凝らしています。芝,増上寺の境内で開かれたDSの早朝ミーティングもそんな活動の一環。想定外の場所で朝早くの開催にも拘らず,大勢のオーナー、ファンが集まりました。
近年は昔のヒットにあやかったリバイバル車がブームで、ミニやかぶと虫、ムスタングと云ったブランドが懐かしの衣装をリニューアルして復活を果たしています。シトロエンもかつての名跡「DS」の名前を引っ張りだして来ましたが,昔のデザインを反復するような安易な手法はとりませんでした。
ただ,最新のDS3カブリオレ、よく見ると2CVに見られた、キャンバスとガラスが格納可能なルーフのアイデアはしっかりと受け継いでいる様で、ちょっと嬉しくなったりもしました
膨張気味のミニカーコレクションに新たな一台を加えたことは云う迄もアリマセン