2014年05月29日
監獄で勝ち取ったものは・・・
ネルソン・マンデラ氏が死去と云うニュースが世界中を駆け巡ったのは去年の12月、日本時間で金曜日朝のことでした。一時重篤説が流れ、闘病の末に天に召されてゆきました。享年95、しかしそのうちの27年近くを牢獄で過ごし、釈放されるまで信念を曲げなかった不屈の精神の持ち主として,のちに大統領に就任する前から多くの支持を集めていました。
あれからまもなく半年、日本ではマンデラ氏の映画『マンデラ 自由への長い道』(Mandela: Long Walk to Freedom)公開中です。
白人支配の南アフリカ政権下、反逆容疑で終身刑を言い渡されます。離れ小島の獄中で唯一対峙する白人の看守たちと,如何にしたら対等の関係を造り出せるのか?やがて,看守との信頼関係を構築し,小さな要求を通せる迄に関係を改善します。それはやがて訪れる政権側との交渉の大きな礎となりました。窮屈な独房で日々体力作りのトレーニングも欠かせません。そんな姿勢がついには政権側からの条件付き釈放の為の交渉へと道を開きます。
しかし、そんな彼が奪われたのは27年分の自由だけではありませんでした。愛する家族の愛もまた、喪失の危機にあったこと、非暴力を訴え続けたにもかかわらず暴徒化してしまった黒人たち・・・・南アフリカの行く末はますます混沌とするばかり・・・・
他方でマンデラ釈放の動きはU2をはじめ,様々な形で世界に広がり、ついには釈放を現実のものへと導きます。1994年、マンデラ氏が南ア大統領に就任。当時は大変なオドロキと喜びに溢れたニュースでした。逝去に際してアメリカのオバマ大統領が速攻でメッセージを寄せたのも,単に黒人で初の大統領就任と云う共通項だけではなく、こうしたマンデラ氏の生き様がオバマ大統領誕生の大きなモチーフとなっているからにほかなりません。
魅力的な女優陣の活躍や,キーポイントとなるU2の音楽も見逃せ(聞き逃せ)ませんが、この映画撮影中はまだ病床にあったと思われるマンデラ氏自身が,ラッシュフィルムでもいいからこの映画に目を通していてくれたら・・と思わずには居られません。
配給はディズニー、現在公開中 147分
http://disney-studio.jp/movies/mandela/