2014年04月17日
ESCAPEのないLIFEなんて
予告編だけ見ても何のことやらさっぱり見当がつかない映画ッテたまにあるものです。今公開中の[LIFE] (=邦題/原題=)"The Secret Life of Walter Mitty"もそうでした。が、冒頭のシーンですぐに合点が行きます。実在した雑誌「LIFE」で働くある職員のワールドワイドな冒険物語、 もう少し詳しく云うと廃刊を目前に最終号の表紙を飾る写真を巡ってゼロハリバートンのアタッシュケース片手に、懇意の写真家を尋ね歩く、地球規模のアドベンチャー的鬼ごっこ・・・・・・
あらすじ等は他メディアに任せるとして、雑誌「LIFE」と云えば、アメリカを代表する老舗の写真雑誌。webもケータイもない時代、アポロ11の月着陸も、何千万年も前の恐竜の暮らしぶりも、この雑誌でその上質な写真を見てとてもリアルに感じたモノでした。
この映画の端々にもそんなLIFE誌へのリスペクトがふんだんに盛り込まれています。
今ではワタシの手元に毎月ナショナルジオグラフィック誌が届きます。映画LIFEに出て来るロケ地と言ったらまさに、このナショ・ジオの世界。・・・・マンハッタンのタイムワーナービル前から始まって・・・グリーンランド、アイスランド、アフガンからアプローチするヒマラヤ高地・・・この映画の魅力は、こうした映画の舞台にはあまり登場しなかった場所でも撮影が行われたこと。そんな世界を巡る人探しの旅の目的は何で、得られたものは一体何だったのか・・・・・・あとはネタばれになってしまうので映画館で見てのお楽しみに。監督で主演もこなすBen Stiller/ベン・スティーラーは、脚本家、プロデューサー業でも才能を発揮出来るのに、何ともウダツの上がらない、妄想癖のあるモテないオッサンを見事にそれらしく演じています。
さて御覧の前に劇中で話題に上る「ピニア・コラーダ/Piña Coladas・ソング」についてひとこと。1979年末〜80年初頭にBillboard誌 Hot 100で1位を記録した大ヒット曲「Escape -エスケープ」(by ルパートホルムズ/ Rupert Holmes のほうです)のことです。簡単に歌詞を要約すると、倦怠期まっただ中のオトコがある日新聞の伝言欄をみていたら、「あなたがもしも砂まみれのあの岬で真夜中に愛し合うことが大好きで、冷たい雨に打たれるのも厭わず、ヨガが好きじゃなくて、ピニアコラーダと云うカクテルは好きなヒトなら、アタシと一緒にエスケープ(逃避行)しちゃいませんか?お返事ちょうだい!」との一文が!、早速約束の場所で実際にカノジョにあってみたら・・・・・やって来たのは
Oh it’s you!なあんだ、きみだったのか!!そこにいたのはいつも隣でグウグウ寝ている妻だった、のさ
と云うコミカルなオチのついた呑気な歌で、一躍ピーニャ・カラーダ=Piña Coladasと云うカクテルの名前をスターダムに押し上げたことでも、人々に記憶に残っているはずです。エンディング・ロールのBGMにも流れるこの曲、是非youtubeなどで探して聞いてみて下さい。
Oh it’s you!・・・がこの映画の隠しコマンドにもなっています・・・・