2013年08月12日
ようやく風を感じてきました!
絶賛上映中の宮崎アニメ「風立ちぬ」を
観てきました。
宮崎監督がこだわる風を全身に感じながら・・・・
カプローニさんが描かれたバンダナがお土産です。
作品に関しては、様々な意見があるようですが、
宮崎監督のこだわりが感じられる、飛行機マニア
も納得の素敵な大人のファンタジーだと思います。
ただ、いくつか気になる点がありましたので、
批判を覚悟で書かせて頂きます。
この映画のポイントは、堀越二郎という実在の人物
の名前を登場させたことです。
勿論、堀越二郎でなければこの物語は成立しません
が、かつてこの日本に世界を震撼させた天才的な
航空機設計者がいたことが分かれば、架空の人物の
名前でも物語は成立するはずです。
堀越二郎の名にこだわれば、彼の開発した航空機にも
こだわらなければなりませんが、作品の中には九試
単戦を思わせる逆ガル翼と沈頭鋲を採用した航空機が
登場します。
堀越二郎の試作機は6機が製造され、逆ガル翼を採用
したのは試作1号機です。
ところが、沈頭鋲を本格的に全面採用した後の九六式艦戦
の原型となる試作2号機は、逆ガル翼が廃止され通常の
多少上反角のある平坦な主翼が採用されています。
つまり、試験的に沈頭鋲を採用した1号機と違い、本格的
に沈頭鋲を採用した2号機以降は通常の主翼を付けて
おり、作品に登場する逆ガル翼の機体は1号機ということに
なります。
勿論、宮崎アニメはあくまでもファンタジーで登場する機体
も宮崎監督のイメージによって描かれていることは十分に
承知の上ですが、個人的には沈頭鋲の工作精度が十分
でなく飛行性能も劣っていた1号機よりも、後の九六式
艦戦に繋がる2号機以降の機体にして欲しかったところです。
もっとも、アニメの絵的には平坦な通常の主翼よりも凄味の
ある逆ガル翼のほうが良かったのかも知れません。
ところで、逆ガル翼というのは飛行中のカモメの姿を逆に
したような形を採用した翼のことです。
大直径のプロペラを採用した飛行機に見られる翼型で、
プロペラの先端が地上と接触しないように、地上と胴体
とのクリアランスを確保するのが主な狙いです。
九試単戦の場合は、前作よりも細くなった脚の弱点を補うため、
長さを短くしたことによる地上とのクリアランスの確保が理由の
ようです。
作品では、冒頭の二郎少年の夢のシーンで、屋根から
飛び立つ飛行機が櫓(カタパルトか)からいったん真上に
上昇してから飛び出すなどの不自然なシーンが見られます
が、まっ、これはあくまでも夢の中のシーンですから、そんな
こと気にしていては宮崎アニメは楽しめませんよね!
一番リアリティーがあったのは、ハインケルの巨人機内に
いたドイツ人機関士でした。
声の役はサッシャでした!!