2013年06月09日
HAIRが(ようやく)やってきた!
60年代ブロードウェイでの大ヒットから日本を含む世界中で
ひとつの社会現象にまでなったミュージカル/hair
ヒッピースタイルや型破りな演出、お馴染みのアクエリアス他
ヒット曲をちりばめた劇中歌の数々。意外にも、ブロードウェイ・キャストの
来日公演は今回が初めてです。リアルタイムで60年代を経験したひとりとしては
当然劇場に足を運ぶ事になります。
当時の名作の数々と同様この作品にも戦争が深い影を落しています。
ベトナム戦争は混迷を深め、北爆以後は泥沼の戦いへと化してゆきます。
当時アメリカにはまだ存在していた徴兵制度。当然行きたくない若者も!
出世コースから逸脱し、自由や平和を唱え、あるものはドラッグに、
あるものは自由なセックスに、そしてドロップアウトの象徴が長い髪。
一方で、移民の子として生まれアメリカ人としてのナショナリティと
国民の義務、兵役との狭間で悩む若者の苦悩はきっと当時のアメリカで
多くの共感を呼んだに違いアリマセン。
他方で、科学物質の氾濫、炭酸ガス(温暖化ガス)の蔓延、放射能の恐怖
人種差別と云った、今もなお未解決の課題が早くも採り上げられています。
時代を超えて、今だからこそ理解出来る事も盛りだくさん。
ビートルズの全盛期、海外のもうひとつの側面をあらためて直視した様に
感じた2時間半(休憩含む)でした。(9日まで、東急シアターオーブで公演)