2013年01月27日

機種選定作業

787-1.jpg

5月に開催される「静岡ホビーショー」に向けて
現在、機種選定作業を進めていますが、
有力となっているのがこのボーイング787!

敢えて、787を選ぶ心境はというと・・・・・

787-2.jpg

箱の中身は、ご覧のように白一色のシンプルな
モールド、息の長い200分の1旅客機シリーズの
ハセガワならではの風格も漂っています。

ローンチカスタマーの全日空と2番目に取得した
日本航空の787の作り比べ・・・・・
ロールス・ロイスのANAとジェネラル・エレクトリックの
JALのエンジンの違いも表現されています。

果たして、2機作れるかどうか・・・・・・今から不安が
よぎりますが、「ろうがんず」の面目にかけて頑張ろうと
思います。

ところで、実機のほうは現在、全機運航停止の状態に
ありますが、これまで50機ほど航空会社に引き渡された
787のうち、全日空が17機、日航が7機と半数近くを
日本の航空会社が占めていて、日々の運航に支障が
生じています。

放送で787の優れた特性についてアピールした解説者の
一人としては、いささか肩身の狭い思いをしない訳では
ありませんが、787が航空会社や日本の航空産業に
もたらす効果は極めて有益であるとの思いは変わりません。

今回の一連のトラブルは、補助バッテリーとその周辺システム
という極めて限定された部分が焦点となっており、問題箇所の
原因究明も時間の問題だと思います。

日本製のバッテリーとアメリカ製の充電器、フランス製の
周辺システムという世界最高峰の技術が結集された電気系統
です。各社は面子にかけても早期の問題解決を図っていると
思いますが、ここはじっくりと腰を落ち着けて一つ一つ問題点を
見つけていって欲しいと思います。

ドリームライナーが夢のままで終わることなく、787実用化の
魁となった全日空や早期に導入した日本航空の決断に敬意を
表して787を作ってみたい!そんな気持ちになりました。

静岡ホビーショーが始まる5月までに問題解決が図られている
ことを願いながら、製作開始です!

| 09:45 | コメント(4) | カテゴリー:田中穂蓄

コメント

田中さん、おはようございます。
今回は、非常に心配しておりました・・・
ですが、田中さんに色々教えて頂いた787の有益性を信じる・信じたい気持ちは変わりません。
今、787を選ばれようとしてらっしゃる田中さんお気持ち・心意気に相通ずる部分があるようにお見受けします。
まだ検証段階で軽々しい言及は控えたいと思いますが、電気系統の故障は自分も伺っていまして、根本的解決を切に望みます。

投稿者 ちなみん : 2013年1月27日 11:01

ちなみんさん、ありがとうございます。
787に搭載されている補助電源用のリチウムイオン電池は、
小型軽量にもかかわらず大容量の電力を取り出すことが出来る航空機にはうってつけのバッテリーですが、扱いが少々やっかいで、8つある各セルごとの電圧をチェックしながらバランス充電をする必要があります。
また安定電力を供給するための制御装置が必要で、きょう、この装置を製造している神奈川県厚木市の航空機器メーカー国交省の立入り検査が実施されます。
部品の一つ一つがどう機能してバッテリーの損傷につながったのか、徐々に核心に迫りつつあります。

投稿者 ホヅミ : 2013年1月28日 13:02

 ブログはカメラ展に進んじゃっていますけど、787と開発の現場につきまして、ゴタクを。(苦笑)
 たぶん日本のメーカーの多くはチーム開発という体制をとっていると思います。チーム開発では各部門の専門家があつまってチームを組みます。ちょうど野球の守備みたいなものですが、野球と同じように、隣の守備位置の選手はバックアップをすることが大事です。センターとライトの間に来た打球は両方の責任でないと抜けてしまいます。しかし、この逆が組織にはおうおうにしてありまして・・・「お役所とか、」とは言いませんが(苦笑)・・・で、俺の担当じゃない、と言って隣の守備位置が動かないととポテンヒットになります。バッテリーは充電器のことを、充電器はバッテリーのことも考えようと、小学校ふうにいいたくなります。
 787は大規模システムですから、ボーイングが指揮者(野球なら守備コーチ)として、きちんとバックアップの指示をしていのか、と思います。もしかすると、試合の前のノックで想定練習(技術的には欠陥事象の想定と対策)ができていなかったんじゃないのか、と思います。こうなると、選手があうんでうごけるような練習をさせるのは、システム屋さんの仕事で、それを確認するのはプロジェクトマネージャーの仕事でしょう。
 かくいうのも、業務の細分化をすると、「ライトとセンターの間にもうひとり<センターライト>という守備位置をつくろう、なんて会社では言い出すよ」なんて陰口をたたいていました。・・・・「こりゃ20人制野球だね。試合中に打順がこなくて面白くないだろうなあ」なぁんて。10人前後の小規模なチーム開発はみんなで喜びを苦しみもわかちあってよいもので、このへんに日本の良さがあります。
 ところで、ボーイングが787のテスト飛行の申請をだしたそうですが、再現テストとニュースに出ていませんでした。再現テストまで進んでいれば、すこし明るさが見えるのですけど。

投稿者 フクザワ : 2013年2月 5日 15:35

フクザワさん、ありがとうございます。
787の今回の一連のトラブルは、まさに多国籍企業のチームワークによる航空機の生産方式の難しさを露呈した形となりました。
かと言って今更後戻りは出来ず、プロジェクトマネージャーにしっかりと目配りをしてもらわなくてはなりません。
ボーイング社が787の飛行テストの申請をFAAに行ったことは正解だと思います。
(現地時間の9日、およそ2時間の試験飛行が実施されました)
メディアの受け止め方は、まだ原因も分からないのにテスト飛行とは時期尚早などさまざまですが、今回の電気系統のトラブルは実際にあらゆる条件下で飛行させてみないと原因がはっきりしない部分がありそうです。
そこで思い起こされるのは、1950年代の中期に起きたジェット旅客機コメットの連続墜落事故です。
コメットは、イギリスのデ・ハビランド社が開発した世界初のジェット旅客機ですが、就航間もなく連続空中爆発事故を起こし3機が失われました。
事態を重く見たイギリス事故調査委員会は、地中海上空で空中爆発したコメットの残骸を徹底的に回収して、地上に元の機体の状態で並べ原因究明を行うと共に、巨大な水槽を建設してコメットの胴体を沈め、注水と排水を繰り返して胴体に負荷を加えた結果、胴体に亀裂が生じたことが確認されました。
このことから、事故機は飛行中に胴体に亀裂が生じ機内の空気が一気に機外に漏れたため爆発したことが判明しました。
(風船に針を突き刺すように)
当時の工学界では未知の分野であった金属疲労による破断がこれによって初めて確認されました。
以後、航空機の胴体構造には外板に亀裂が生じても一気に拡大しないような補強材が付け加えられるなどフェイルセーフの考え方が一般的になりました。
コメットの悲劇的な事故が、後の航空機の安全対策に数多く活かされているのです。
テストの方法こそ違いますが、こうした実証テストは航空機の安全を確保する上でなくてはならないもので、今後の動向が注目されます。

投稿者 ホヅミ : 2013年2月10日 09:44

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