2012年12月23日
そっくりさん!
今月に入って、尖閣諸島周辺に姿を現し、
時折、領空侵犯もやってのける中国国家
海洋局所属の双発輸送機 ハルビンY-12
この飛行機、どこかで見たことがあると思われた
方も多いことでしょう。
そう!国内でも離島間の旅客輸送に使用されている
ブリテンノーマン・アイランダーにそっくりでは
ありませんか。
アイランダーは、原型機が1965年に初飛行した
小型輸送機です。
イギリスのブリテンとノーマンの2人の航空技師が、
低価格で簡単な構造のホームビルト機のような飛行機を
開発し、売り出したところ瞬く間に世界中でヒットした
ベストセラー機です。
特徴的なのは、コストを抑えるために機内通路を無くし、
5列・2人掛けのベンチシートを採用して、乗り降りは
両側にそれぞれ3個ずつ設けた大型のドアから行う
という、言わば「空と飛ぶタクシー」と呼ぶべき飛行機です。
この飛行機が初めて日本に来た時、試乗したことが
ありますが、長箱型の胴体の上部に主翼が取り付けられ、
窓からの眺めはいいものの、エンジンナセルから固定式の
主脚が垂れ下がるという、何とも簡単な構造に驚いた
覚えがあります。
一方のY-12は、アイランダーの初飛行に遅れること
17年後の1982年に初飛行しました。
ハルビンにある中国の航空機メーカーHAMCが開発した
れっきとした中国国産飛行機で、アメリカのFAAからも
型式証明を取得し、中国国内での旅客輸送や軍用輸送機
として活躍しているほか、一部海外でもコミューター機として
使用されています。
この飛行機、見れば見るほどアイランダーにそっくりで、
違いと言えば、主脚の取り付け方法と客室窓が、操縦席の
窓より一段下がったところに付けられていると言ったところ
でしょうか。
飛行機の世界では、こうしたことはよくあることで、最も有名
なのは、当時、ソ連が開発したツポレフTu-144が、
イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機コンコルド
にそっくりで、コンコルドスキーなどと揶揄されたことが
あります。
Y-12がアイランダーの真似をしたなどと言うつもりは毛頭
ありませんが、名前を付けるとすればハルビンダーなんて
ことになるのかもしれません。