2011年12月05日
イラン軍が無人偵察機を撃墜
共同電によりますと、イラン東部でアメリカ軍の
無人偵察機が撃墜されました。
撃墜されたのは、ロッキード・マーチン社が開発した
RQ-170型機とみられ、完全には破壊されておらず
イラン軍の管理下にあるということです。
無人偵察機というと、福島第1原発の上空を飛行
して写真撮影をしたRQ-4グローバルホークや、
アフガニスタンやイラクでの軍事作戦に投入された
RQ-1プレデターなどが知られていますが、
今回、撃墜されたとみられるRQ-170は、最近、
実戦配備されたばかりの最新鋭機です。
スタイルは、尾翼と胴体のない全翼機と呼ばれる
ブーメランのような形をした偵察機で、ステルス爆撃機
のB-2を想像していただくといいと思います。
(と言ってもご存じない方にはなかなかイメージ出来ない
かも知れません)
無人偵察機は、文字通り人の乗っていない遠隔操作の
航空機で、機体に搭載されている高性能のカメラで、
地上を撮影し、その映像をコントロールセンターのモニター
で確認しながら模型のラジコン機のように遠隔操縦し、
写真撮影したり、機種によってはミサイルによる攻撃も
行います。
もちろん、ミッションデータを入力することによって、無人機
自ら地上からの遠隔操作なしに作戦行動することも
可能です。
ビン・ラーディン容疑者の殺害作戦にもRQ-170が使用
されたと言われており、いま最も注目される無人偵察機
です。
となると、気になるのがイラン軍の管理下に置かれている
完全には破壊されていないと言われるRQ-170の行方です。
無人偵察機の分野ではアメリカ軍に遅れをとっていると
みられる中国やロシアは喉から手が出るほどその性能や
構造が知りたいと思われますし、無人偵察機の分野では
先進国のイスラエルもその動向が気になるのではないで
しょうか。
最新のテクノロジーを搭載した無人偵察機ではありますが、
ひとたび相手国の手に渡ると、さらにその上をゆく性能が
求められる兵器開発のジレンマがかくして繰り返されるので
あります。