2011年10月25日
黄金銃を持つ男
「砂漠の狂犬」、あるいは「アラブの暴れん坊」と
呼ばれたリビアの最高指導者カダフィ大佐が、
20日死亡しました。
カダフィ大佐の遺体は、四男のムタシム氏の
遺体とともに25日、砂漠の秘密の場所に埋葬
されるということです。
報道によると、カダフィ大佐は黄金の銃を持って
いたということで、反カダフィ派の兵士がその銃を
握る写真が紙面に掲載されました。
新聞に掲載された黄金の銃は、ベルギーの
ファブリックナショナル社製のFNブローニング・
ハイパワーで、フレームやスライドには美しい
彫刻が施されていました。
古今東西、一部の歴史上の人物は特別に
発注された拳銃を持つことが趣味のようで、
特に将軍や独裁者にその傾向が顕著のようです。
そうした銃で身を守っていたカダフィ大佐も、結局は
多くの国民を敵に回し銃によってその命を絶たれました。
持っていた銃がベルギー製のブローニング・ハイパワー
で、アメリカ製のコルト・ガバメントでなかったことが、
反米主義を掲げた大佐の精一杯の抵抗だったのかも
知れません。
ところで、黄金銃といえば007シリーズ第9作、
「黄金銃を持つ男」に触れない訳にはいきません。
イギリス秘密情報部員のジェームズ・ボンドが殺し屋
フランシスコ・スカラマンガに挑む痛快巨編です。
この映画に登場する黄金銃は、何と!万年筆やライター、
カフスボタンやシガレットケースから組み立てられる
という007シリーズならではの趣向が取り入れられて
います。
スカラマンガの役に挑戦したのは、ドラキュラ役でお馴染み
のクリストファー・リー、彼は原作者イアン・フレミングの
従兄弟です。
この作品にはもう一つ、素晴らしい秘密兵器が登場します。
そう、ジェットエンジン搭載の翼を持つ車です。
倉庫から飛び出したこの秘密兵器は、いかにもラジコン機
ぽくって笑いますけど、007マニアとしては真剣です!
カダフィ大佐にスカラマンガ、黄金銃はいつの世でも人の
心を惑わす魔力を備えているのかも知れません。