2011年10月03日

ドリームライナーからの贈り物

%A3%B7%A3%B8%A3%B7%A1%DD%A3%B1.jpg

先月25日、アメリカのシアトルで全日空に引渡された
ボーイング787の初号機が先週水曜日に羽田空港に
到着しました。

今回は事前に取材申請をして余裕の取材を行いました。

近くで見るB787は、それはそれは美しい機体でした。

それもそのはず、エンジンなどの一部を除いて機体の
ほとんどが炭素繊維などの複合素材を使った次世代
旅客機で、機体表面は従来の旅客機に見られる外版
のつなぎ目やリベットがほとんど無く、例えて言えば
実物大のプラモデルを見ているようでした。
(スイマセン!こんな例えで・・・・・・)

%A3%B7%A3%B8%A3%B7%A1%DD2.jpg

特徴的なエンジンポッドです。
後縁のノコギリのようなギザギザは消音効果を高める
ためのもの、ロールス・ロイス製のエンジン、トレント
1000と相まって騒音は大幅に軽減されています。
B787は、GE製のGEnxも選択できますが、全日空機
にはロールス・ロイスのトレント1000が搭載されています。

もっとも、搭載後もどちらかのエンジンに変更できるのが
B787の特徴で、これまでの旅客機には出来ないことでした。

%A3%B7%A3%B8%A3%B7%A1%DD3.jpg

客室の窓は従来の旅客機よりも上下で1・3倍の大きさに
なっています。
肘から指の先端までがすっぽり中に納まってしまう大きさです。
ほぼ同じ大きさのB767をご利用の際は、同じ方法で比較されて
みてはいかがでしょうか。

%A3%B7%A3%B8%A3%B7%A1%DD4.jpg

窓にはもう一つこれまでの旅客機にはない仕掛けが
あります。
それがこれ!従来のプラスチック製のシェードに代わって
電子シェードが採用されています。
暗くなっても外の景色が見られます。

%A3%B7%A3%B8%A3%B7%A1%DD5.jpg

操作は、窓の下にある円形のスイッチで行います。
明るさは5段階に分かれていて、下の黒い部分を押すと
暗くなり、明るい部分を押すと明るくなります。

客室乗務員がタッチパネルの操作盤から一斉に操作
することも出来ます。

%A3%B7%A3%B8%A3%B7%A1%DD6.jpg

客室内は白を基調とした内装になっています。
これは新たに導入されたカラーLEDの効果を高める
ためのもので、飛行シーンによって様々なカラー
バリエーションが演出できます。

大胆な複合素材の採用で機体の軽量化を図り、
従来より20%も燃費が向上した新型エンジンの
採用で、中型機でありながらB777やB747に
匹敵する航続距離を誇るB787が航空会社にもたらす
メリットは計り知れません。

全日空ではB787の採用で年間100億円の運航経費
の削減が図れるとしています。

ボーイング787は、経営難に苦しむ世界中の航空会社に
とって、まさに救世主のような存在といえるでしょう。

今夜から4回にわたって、「JAM THE W0RLD」内、
「SAGAWA EXPRESS CASE FILE」で詳しく解説を
させていただきますので、お時間があったらお聴きになって
下さい。 

| 12:30 | コメント(8) | カテゴリー:田中穂蓄

コメント

炭素繊維、大きな可能性を持てるまでに進歩したようですね。 COOL JAPAN!
鉄より強度アップ・かつ軽い、特に自動車には持って来いですね。
欧州諸国 (TGV ・ ICE) などや日本 (つばさ ・ こまち) の在来線を走る高速車両には不向きかと。従来通りのスチール素材、修理しやすいし。

投稿者 小人部隊一号 : 2011年10月 3日 12:57

田中さん、お疲れさまです。
はい、万難を排してぜひ拝聴させて頂きます!!
もちろん、録音させて頂きます。
最高音質を保てなくなって20日程経つのが残念です・・・
787はエンジンを2種類の中から選べるのは機能的で素晴らしいですね。
騒音の大幅軽減もうれしいです。
機体の美しさ、つなぎ目やリベットがほとんど無し、での工法、例えて言うなら、ポスターを壁に貼る際、壁に釘を打つのも、ポスターに穴を開けるのが非常に嫌な自分、原型の美しいまま視界に入れたい、は大変よく解ります。

投稿者 ちなみん : 2011年10月 3日 13:35

まさに「エコジェット」ですね。スバラシイ。

投稿者 KAWAノリ : 2011年10月 4日 00:40

複合素材の使用割合,外皮で9割にも達するんですね.
軽くて強く衝撃吸収能力にも優れるメリットはF1の世界では常識ですが、ひとつだけ懸念されるのが経年変化です。
一年ポッキリでお役御免のF1と違い,20年もの間耐久消費財として使われる間にクラックや,劣化が発生しないのか?曲げには強いが,破断してしまうと致命傷ではないのか?

日本の技術だからダイジョウブだとは思いますがどうやってこの問題を保障しているのか興味があります。
小型機の外板もこれにするとコスト的に見合うのか?
量産技術も含めて日本企業が航空機製造の基幹を担う責任,受ける期待も大きくなりそうですね。

投稿者 吉田雅彦 : 2011年10月 5日 23:59

小人部隊一号さん、ありがとうございます。
日本の東レが開発した複合材が、革新的な航空機の主要部分を支えているなんて、うれしいじゃありませんか!
これからの航空機は、益々こうした複合材にシフトしていくんでしょうね!」

投稿者 ホヅミ : 2011年11月 1日 12:28

ちなみんさん、ありがとうございます。
リベットの無い機体があんなに美しいとは思いませんでした。
ボーイング787は、遠くで見ても近くで見ても美しい飛行機です!

投稿者 ホヅミ : 2011年11月 1日 12:32

KAWAノリさん、ありがとうございます。
787は、機内の気圧や湿度も従来の旅客機より数段、快適になっており、特に乾燥に弱い女性に優しい飛行機です。

投稿者 ホヅミ : 2011年11月 1日 12:40

吉田さん、ありがとうございます。
複合素材を大幅に採用した航空機の経年変化は確かに未知の分野ですが、複合素材の加工技術の向上によって、今後、飛行機は、一部エンジンや機器類などを除いて複合材製にシフトしていくと思います。
かつて、トヨタがアメリカで全複合材のビジネス機を開発したことがあり、実用化には至りませんでしたが、ビジネス機の分野では複合材が主流となるのは間違いないと思います。

投稿者 ホヅミ : 2011年11月 1日 12:57

■コメントはこちらへ


保存しますか?
(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)


2024年 4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

バックナンバー

カテゴリー