2011年08月02日
大人のメルヘン
素敵な絵本を贈っていただきました。
画家の大西信之さんが飛行機にまつわる短編とともに
素敵な画集とも言える本を出版されました。
タイトルは「ラストフライト」~星の王子の伝説
大空のロマンを結集させた珠玉の一冊です。
大西さんは、現在、模型雑誌・スケールアビエーション誌に
山本三郎のペンネームで飛行機にまつわる様々な
エピソードを連載しています。
飛行機のイラストというと細部まで精密に描かれた完璧な
考証の作品が多い中で、大西さんの作品はイメージを
重視した独特の作風で多くのファンの心を捉えています。
大西さんと知り合ったのは、今年の初め銀座で開催された
あるイラストレーターの個展見学会の後の飲み会でした。
途中から同席された大西さんはその気さくな人柄と豊富な
航空知識でたちまち我がろうがんずの仲間と打ち解けられ
ました。
今回、銀座でご自身の作品の個展を開かれ、これを機に
出版されたのが「ラストフライト」です。
この作品には、史上2人しかいない女性エースの1人、
リリィ・リトヴァクを描いた「ロシアの短い夏」や、星の王子様
で有名なサン=テグジュペリを描いた「星の王子の伝説」
など9編のエピソードが収録されていますが、注目は何と
言っても「星の王子の伝説」です。
第二次大戦中、サン=テグジュペリは、ヨーロッパの戦いに積極的
に関わり、自ら偵察機ロッキードP-38ライトニング(正確にはF-5B)
を操縦して9回の偵察飛行を行い、9回目の飛行となった1944年7月
31日の出動で行方不明になっています。
作品では一般にはあまり知られていない祖国フランスの解放
に奮闘して力尽きたサン=テグジュペリの一面を見事に描ききって
います。
この作品には、サン=テグジュペリが愛機P-38に搭乗して出動
する場面が描かれています。
これまで何度となくこの愛機のプラモデルを作ろうと資料を
集めたものの、明確な塗装の実態は明らかではなく諸説が
存在するため二の足を踏んでいました。
でも、今回大西さんとお話をさせて頂いて、機体上面は
アメリカ軍が採用しているオリーブドラブ、下面はニュートラル
グレーで機体番号は80ということで確信が持てました。
この他にも、全面ブルーグレーで機体番号が223との説も
あります。
ただ問題はその機体です。
これまで発売されているP-38のキットは、そのほとんどが
戦闘機型で偵察タイプは発売されていません。
(海外キットであったかも知れませんが)
製作するとなると、機首の全面改造やエンジン空気取り入れ口
周辺の大改造が必要となります。
それでも塗装に確信が持てたのですから、そろそろサン=
テグジュペリの愛機に挑戦してみるのもいいかも知れません。
大西さんありがとうございました!