2010年03月02日
オスプレイの憂鬱
アメリカ海兵隊の普天間飛行場移設問題は、
5月末までの解決に向けて様々な案が
取沙汰されていますが、メディアがあまり
採り上げていない事実があります。
それがオスプレイの憂鬱・・・・・・・
オスプレイの憂鬱って、いったい何なの?
と思われた方はもっともです。
私が勝手に言っていることですので、
メディアはどこも使っていません。
そもそも、オスプレイとは何なのか、辞書を
開くと鳥類の「ミサゴ」と載っています。
フィッシュホークとも呼ばれるタカの一種で、
魚を捕まえて保存し、漁が出来ない時に
食する習性があると言われています。
(これには異議を唱える専門家もいます)
この習性で魚が発酵し、鮨の元になったとも
言われることから、「みさご鮨」なんていう
屋号もあったりします。
おっと、お鮨の話は今回のテーマではありません。
今回のテーマは、MV-22Bオスプレイです。
普天間飛行場に展開するアメリカ海兵隊は、
現在、兵員や物資の輸送手段としてCH-46や
CH-53などの大型ヘリコプターを使用しています。
ところが、こうしたヘリはそろそろ耐用年数が
切れる時期を迎えており、今後、順次、
MV-22Bオスプレイに切り換えられることになって
います。
では、このMV-22Bとはどのような航空機なのか!
実は、航空史上画期的なシステムを搭載した機体
なのです。
今年1月、大地震に見舞われたハイチの首都、
ポルトープランスに物資を運ぶ不思議な航空機を
テレビのニュース映像でご覧になった方も
いらっしゃるでしょう。
これがベル社とボーイング社が共同開発した
MV-22オスプレイです。
ティルトローター方式と呼ばれる2つの大型ローターを
主翼の両端に搭載し、このローターをエンジンごと
垂直から水平方向に移動させて、離着陸や飛行を
行うもので、これまでのヘリコプターや固定翼機とも
異なる新しいカテゴリーの航空機です。
現在、アメリカ空軍、海軍、海兵隊向けに配備が
進められており、海兵隊向けがMV-22Bなのです。
いずれ、普天間飛行場の海兵隊にも配備が予定
されており、現在の大型ヘリコプターは一部を除いて、
このオフプレイに替わることになります。
さて、そうなるとどうなるのか・・・・・・
アメリカ軍では、このオスプレイの運用には滑走路
の全長が1200メートルから1500メートル必要だと
しています。
となると、与党の一部が主張しているキャンプシュワブ
の内陸に500メートル級の滑走路を造って移設する
との案には支障が起きてきます。
(新たに島部に飛行場だけを建設する案も浮上している
ようですが)
いずれにしても、こうしたアメリカ軍の新たな展開も
考慮に入れて、計画案全体の見直しをしなければ
ならないのに・・・・・・・・大丈夫なんでしょうか?
オスプレイの憂鬱はしばらく続きそうです。
それにしても、ホバリングをしながら巧みに魚を
捕まえるミサゴの名前をつけるなんて、見事な
ネーミングです。