2009年12月20日
謹んで初飛行のお慶びを申し上げます
いえ、特に誰にってわけではないのですが、
ただ単に嬉しい気持ちを表してみたくなりました。
ボーイング787がついに初飛行に成功しました。
ボーイング社は15日、ワシントン州シアトル郊外
にあるエバレットの工場に隣接した飛行場から、
787ドリームライナーの試験飛行を行い、
約3時間の飛行の後、シアトル市の別の飛行場に
着陸し初飛行に成功しました。
ニュース映像では、離陸後、急上昇する787の
後を追うように空中撮影用のロッキードT-33
がチェイスする姿が捉えられています。
写真でもお分かりのように、787の特徴は主翼に
あります。
三菱重工が生産を担当している主翼は、最新の
空力特性を備えた構造になっており、従来の旅客機
の主翼に比べかなり翼厚が薄くなっています。
離陸の際は翼が大きく反り上がっているのが分かります。
また、翼端の形も特徴的で、最近の旅客機に見られる
翼の先端に取り付けられたウイングレットとは異なる
刀の先端を思わせる鋭いデザインとなっています。
これは、翼端に発生する乱気流によって抵抗が増大
するのを防ぐもので、燃費の向上に役立っています。
初飛行を終えたパイロットは「サプライズなしの飛行
だった」と述べていますが、これは成功して当然の
飛行だったという余裕の表れなんでしょうね。
さて、初飛行には成功したものの、当初の計画から
2年も遅れての試験飛行となりました。
部品供給の遅れや従業員のストライキなどが影響
していますが、今後、順調に開発が進んだとしても
ローンチカスタマーである全日空が初号機を受領する
のは来年10月から12月と見られています。
一方、ライバルのエアバスA-350XWBは、2012年
の初飛行を目指して急ピッチで開発が進められて
います。
航空会社への引き渡しは2013年の予定ですが、
787より約2年のタイムラグがどう影響するか、
本来ならば4年の水をあけられていただけに、
787が視界に捉えられる位置に来ていると言えそうです。
このところ民間部門、軍事部門ともに元気のないボーイング
ですが、90年以上の歴史を誇る名門メーカーだけに底力を
発揮する日を機体したい、いや期待したいと思います。