2009年06月29日
私のラジオデイズ76
衆議院の解散・総選挙の時期が
だいぶ絞られてきました。
サミットの前か後か、衆議院議員の任期が
迫る中での選択肢は狭まるばかりです。
久しぶりの「私のラジオデイズ」、今回から
しばらくは国会の舞台裏 シリーズをお届けします。
1980年前後から定年退職する2004年までの
約25年間、国会放送記者会に所属していた関係で
様々な国会の舞台裏を取材してきました。
国会内には6つの記者クラブが存在します。
先ず、ニュース映像などで頻繁に放映される
総理大臣の会見や官房長官の会見でおなじみの
永田クラブ、総理官邸の敷地内にある記者クラブで
官邸クラブとも呼ばれています。
ちなみに、総理担当の記者は「番記者」と呼ばれ、
主に新米の記者が担当します。
(番記者は総理のほか各大臣担当記者も含みます)
国会記者は先ず、総理大臣のお仕事を勉強してから
一人前の記者になれというわけです。
最近はICコーダーの普及で、メモを取らずに記事にする
記者もいるようですが、私が現役のころはICコーダーなど
存在しませんでしたから、会見の内容を逐一メモにとり、
会見が済んだ後で、クラブ所属の記者同士で会見内容を
確認しあっていました。
勿論、今でも取材メモは記者の必需品で、メモを
基に記者リポートや番組の構成を組み立てます。
取材メモは社によって仕様はまちまちですが、一般的に
手のひらに乗るサイズで、どのような姿勢でも字が
書けることが条件です。
メモを取る際は、紙の両面は使用せず表面だけに
書き込んでいきます。
猛烈なスピードでメモらないといけないので、裏面に
書く余裕はありません。
(裏面に書く場合はメモ帳も裏返ししなければなりません)
裏面は取材の後、自分の考えや印象などをメモるために
使用します。
(勿論、他にも使い方があるでしょうが私はそうしていました)
後々、本を出版しようなどという記者は、こうした取材メモを
保存しておいて回顧録として利用しますが、残念ながら
私には当時、そのような野心はまったくなく、
メモは数冊しか残っていません。
(こうしたブログを書くようになって残しておけばよかったと
後悔しています)
さて、国会内のクラブはこのほか、自民党や公明党の
取材を担当する平河クラブ、野党の取材を担当する
野党クラブ、在京テレビ局6社が加盟している映放クラブ、
私が所属していた民放クラブ、そして、週刊誌などの
雑誌記者が所属する雑誌記者クラブがあります。
この記者クラブ制度は、日本独特の制度でしばしばその
閉鎖性が問題視されます。
特に日本に駐在する外国人記者からは平等に門戸を
開放すべきだとの意見が度々出されますが、改革されない
まま今日に至っています。
ざっと、記者クラブのご紹介をしてきましたが、次回は
民放クラブでの仕事を中心にお話をしたいと思います。