2009年04月07日
ラプターの命運は・・・・
アメリカ国防総省が、高コストの最新鋭戦闘機
F-22ラプターの新たな発注を見送る方針を
決めました。
オバマ大統領の中東政策の方針転換から
国防予算の大幅削減は避けられないものと
見られていましたが、国防総省の方針決定に
よって、F-22は近く生産中止に追い込まれる
可能性が極めて高くなりました。
その圧倒的な制空戦闘能力から航空自衛隊の
次期主力戦闘機の最有力候補とされながら、
アメリカ議会の対外輸出禁止の決定によって
導入の見通しが極めて難しいとされている
F-22ですが、選定作業の抜本的な見直しが
迫られるのは確実のようです。
ロッキード・マーチンとボーイングが共同で
開発しているF-22はすでに実戦配備が
始まっており、沖縄の嘉手納基地にも
期間限定で配備されていますが、
今後はすでに発注されている180機前後より
さらに削減された形で、部隊配備が行われる
可能性があります。
アメリカは現在、F-22の配備と並行して
JSF(Joint Strike Fighter)=統合打撃
戦闘機F-35の開発を、同じロッキード・マーチンが
中心となって進めており、こちらの動向も
注目されます。
F-35は、アメリカ軍とイギリス軍が約3000機を
配備する予定になっており、その他のNATO各国を
含めると最終的には約5000機以上が製造
されるものと予測されています。
いずれにしても、アメリカの航空宇宙産業は、
民間航空業界の需要の落ち込みに加えて、
軍需も先行きが不透明になり、
大きな打撃をこうむることになりそうです。
好むと好まざるとに関わらずアメリカ経済は、
強大な軍事産業によって支えられている面もあり、
経済の建て直しと、軍備縮小の相反する現実を
どう克服していくのか、オバマ政権の手腕が
試されます。
ちなみに、F-22は日本円で1機約140億円、
F-35は約86億円となっています。
(プラモデルは2000円から3000円前後で
各社から発売されています) やれやれ・・・・・