2009年03月06日
私のラジオデイズ68
ある時、後輩の女性アナウンサーが、
見慣れない小さな機器を持って出社しました。
彼女の両耳には円形のイヤーホーンが
装着されています。
両耳にイヤーホーンなどして何やってんだろう?
と言うのが第一印象でした。
(当時はモノラル全盛ですからイヤーホーンは
片耳だけでした)
この機器が後に世界的な大ヒット商品と
なろうとは・・・・・・
この商品の名前は「ウォークマン」、
言わずと知れたSONYの大ベストセラー
携帯音楽プレーヤー「ヘッドホンステレオ」
です。
「ウォークマン」の第1号が発売されたのは、
1979年7月1日のことです。
(今年はウォークマン誕生30年となります)
残念ながら、私は第1号を手に入れることは
ありませんでしたが、続いて発売された
第2号機を発売前に手に入れることが
出来ました。(2号機だと思いますが・・・・)
友人がソニーショップの関係者だったため、
テストリポートの形でモニターできたのです。
2号機は1号機に比べかなり小型化されており、
電車内でも注目の的となりました。
(写真の機種で間違いないと思いますが・・・・)
この時点ではまだ一般に発売されていません
でしたので、恐らく、2号機を最初に使用した
数少ない日本人の1人だったのではないでしょうか。
次に購入したのがウォークマンにFMAMラジオ
チューナーを搭載した機種でした。
これはオンエア中の番組を録音することが
出来たので、仕事柄よく愛用していました。
(残念ながら両機種とも今は作動しません)
その後は、ご存知のようにおびただしい数の
ヘッドホンステレオが開発され、元祖の
SONYだけでなく多くの家電メーカーや
オーディオメーカーが参入し、音楽文化の
発展に貢献しました。
音質も年々向上して、「デンスケ」と呼ばれる
プロユースのものは、取材活動に大いに
活躍しました。
総理官邸での、いわゆるぶら下がり会見で
テーブルの上に並べられた数多くの
ICコーダーをテレビでご覧になっていると
思いますが、今やこのICコーダーの音源を
そのままオンエアするケースもあるようです。
取材手帳に鉛筆をなめなめメモしていた昔とは
大違いですが、新しい取材用機材の出現は
スピードと正確さを要求される報道現場には
なくてはならないものと言えるでしょう。
重たいデンスケを肩にかけて取材現場を
歩き回った時代が懐かしく感じられます。