2008年06月15日
私のラジオデイズ33
入社して間もなく、本格的なアナウンス研修が
始まりました。
と言っても、前回お話ししたように研修は、
先輩アナの忙しい業務の合間を縫って
指導を仰ぐという状態でした。
どこの放送局も同じでしょうが、最初は基礎発声を
徹底的に叩き込まれます。
ニュース原稿を読むなどというのはとんでもない事で、
「10年早い!」とよく言われました。
当時のFM放送は高音質と高級感を売り物に
していましたので、発声練習は徹底的にさせられ
ました。
小学校高学年時代と中学時代は放送委員、
高校、大学は放送部に所属していましたので、
発声練習は一通り経験ありましたが、プロの世界は
そんな生易しいものではありませんでした。
ここでまたまた横道に逸れますが、発声練習の一つに
「早口言葉」というのがあります。
「東京特許許可局」だとか、「赤巻紙青巻紙黄巻紙」
なんてやつですが・・・・・
この二つは違いますが、早口言葉の古典的な名作に
「外郎売」(ういろううり)というのがあります。
元々は歌舞伎十八番の一つで、江戸時代に二世
市川団十郎が初演して評判になりました。
アナウンサーや俳優を目指す方々は、必ずと言って
いいほどこの「外郎売」の口上をやったことがあると
思います。
この「外郎」は小田原の外郎家が販売する救急薬の
丸薬で、小田原の名産品であり、市内の国道1号線沿いに
そのお店があります。
実は、私は高校時代、小田原の県立商業高校でしたので、
このお店をよく知っており、「外郎売」の口上も当時から
発声練習でよくやっていました。
(このお店のすぐ近くにある薬局で夏休み、アルバイトを
したこともあります)
今は小田原城の天守閣を思わせる立派な店構えですが、
昔は、口上にも出てくるように、「八方が八つ棟、
表が三つ棟玉堂造り」の堂々としたお店だったようです。
「拙者親方と申すは、お立合いの中に御存知のお方も
御座りましょうが・・・・・」で始まる「外郎売」の口上、
ネットで「外郎売」を検索すると、無数のホームページが
現れますので、皆さんも大きな声で挑戦されてみては
いかがでしょうか?
長くなりましたので、続きは次回に・・・・