2008年05月26日
46年ぶりの再会
銀座の中古カメラ店で見つけた
古い国産カメラです。
軍艦部はこんな風になっています。
このカメラには忘れられない想い出があります。
今から46年前、高校2年の時に、父から借りた
これと同じカメラを持って、丹沢の塔が岳に登った帰り、
休憩をした尾根でこのカメラを置き忘れてしまったのです。
麓の小田急線渋沢駅でザックの整理をしていて
気が付きましたが、後の祭りです。
それからしばらく、駅の改札口で登山客のカメラから
同じものを見つけようとしましたが、すぐに空しい
行為とあきらめ、家に帰りました。
このことを両親に報告すると、父は何も言いませんでしたが、
母からは大目玉を食らいました。
今では懐かしい思い出となりましたが、心のどこかに
父には申し訳ないという気持ちがあったのだと思います。
このカメラは、「タロン35」といいます。
戦前からの老舗シャッターメーカーだった、日本光測機工業が
昭和30年頃に発売したカメラで、当時、かなりの人気
だったようです。
「タロン」という言葉の響きも好きで、当時、ノースロップが
開発中のアメリカ空軍のジェット練習機「T38タロン」と
同じ名前だったので、より親しみを覚えていました。
(T38タロンも実に美しい練習機で、NASAの宇宙飛行士の
移動の際に使用する搭乗機としても知られます)
購入したタロン35は、状態もよく、スローシャッターも
へたりはないので、90歳を過ぎても元気な父の元へ
父の日のプレゼントとして届けたいと思っています。
46年ぶりの償いとして・・・・