2008年02月03日
板橋区の英断に拍手!
・・・って、何のことと、お思いになるかも知れませんが、
久々に本業の飛行機の話しです。
東京新聞によると、東京都板橋区が、このほど、
航空産業参入を目指す区内の町工場に対して、
支援していく方針を決めました。
板橋区内には精密機器の業者が多く、その内の数十社は
航空分野に参入できる技術力を持っているということで、
こうした業者にビジネスチャンスを広げようというのが
狙いのようですが、国や都が支援するならともかく、
区のレベルで航空産業を支援するというのは、40年の
航空取材活動の経験でも例がありません。
成熟した産業構造の日本において、新たな目標を掲げる
としたら、航空宇宙産業の基幹産業化をおいて他にないと
私個人は考えます。
航空宇宙産業はあらゆる産業分野のトップに君臨する
産業で、下支えの産業のボトムアップも図れます。
折りしも、地球環境問題と、それに対応する
新しいテクノロジーの出現で、航空産業は世界的に
活況を呈しつつあります。
これまでに開発された、旧タイプの航空機に取って代わり、
環境に優しく、経済性に優れ、安全性の高い航空機が
次々と開発されています。
日本も遅れをとってはいられません。
ボーイングやエアバスのような大型機の開発は、
今は無理だとしても、信頼性の高いジャパンブランドの
中小型機を開発する技術は、十分持ち合わせています。
それを政府や国民がいかにバックアップするか・・・・
ここに、成功の鍵は隠されていると思います。
間もなく、三菱重工が独自開発を進めている「MRJ」の
正式な回答が示されます。
開発か撤退か・・・、政府も支援を表明しているので、
撤退はありえないと思いますが、初の国産ジェット旅客機
の実現を多くの人が待ち望んでいるのは事実です。
最先端の航空機産業を中小の町工場が支える・・・・
「信頼の翼」は、そんな中から生まれ育つものだと思います。