2008年01月06日
私のラジオデイズ22
今年もしばらく続けます。
夜の新宿・歌舞伎町DJアルバイト顛末記、
きょうは其の5です。
さて、前回の「とんでもない出来事」とは・・・・
当時、歌舞伎町界隈には数軒の「美人喫茶」が
ありました。
「美人喫茶」といっても、いまの若い皆さん方には
何のことやらさっぱり!という方が多いと思います。
別にいかがわしい喫茶店ではなく、店内は
ロココ風のシックな内装で落ち着いた大人の
雰囲気の喫茶店がほとんどでした。
ウエイトレスもどちらかというと30代前半の女性が
多く、美人喫茶の名に恥じない大人の雰囲気を
持っていました。
ところがある時、店でもトップクラスのウエイトレスが
数人、突然、辞めていってしまいました。
ライバルの美人喫茶にヘッドハントされたのです。
それからというもの、ウエイトレスに対する監視が
厳しくなりました。
ヘッドハンターらしきお客様に対しては特に注意を払い、
1階のレジカウンター付近で店内がよく見渡せる
我らDJにも注意するようにマネージャーからのお達しが
ありました。
時には、ウエイトレスから身上相談されることも
ありました。(相手は私よりも年上の女性です)
店を替わるべきかどうかの相談と思いきや、
ある時、交際中の男性と別れたいがどうしたらいいか、
もしよければ、相手の男性を説得してくれないか、との
相談を持ちかけられました。
まだ世間もよく知らない大学生の私が、酔狂にも説得に
当たった相手の男性は、明らかにその筋との関係を
ちらつかせるような、あまり性質の良くない男性でした。
近くの喫茶店で待ち合わせ、とりあえず女性を立ち合わせずに
女性の意向を伝えると・・・、「よし、分かった!」
以外にもあっさりとそれを受け入れ、
女性と別れることを承諾してくれました。
「ちょっと待てよ、これには裏が・・・・」と、内心穏やかならざる
心境で一緒に店の外へ出ると、彼は逆恨みすることもなく、
悪態をつくこともなく、静かにその場を去って行きました。
私の真剣さが相手に伝わったのか、それとも、私の背後に
組織がいると勘違いしたのか・・・・、よく分かりませんが、
その後は何事もなく、私に相談を持ちかけたウエイトレスは、
晴れ晴れとした表情 で新たな人生を歩んでいったのでした。
そう言えば、DJのアルバイトを始める時に、先輩の女性DJから
アドバイスを受けました。
「お店の女性には、決してちょっかいを出してはいけません!」と、
その先輩と付き合う結果になろうとは、縁は異なものです。