2007年06月15日
国産ジェットの模型がパリ・エアショーに
三菱重工が開発を進めている国産初のジェット旅客機、
MRJ=三菱リージョナル・ジェットが、18日から開催
されるパリ・エアショーに出展されることになりました。
(前回と同じ写真で申し訳ありません)
といっても、出展されるのは、実物大の胴体の模型の一部で、
外観や内装を本物同様に仕上げたものです。
パリ・エアショ-は、イギリスのファーンボロショーと並ぶ
世界最大の航空ショーで、90年近くの歴史を誇っており、
世界が注目する航空ショーに出展することによって、
国産ジェット旅客機が話題を集めるのは間違いなさそうです。
以前、番組でもお話ししたことがありますが、世界各地で
開催される航空ショーへの積極的な参加は、日本の航空技術を
世界にアピールする上でなくてはならないものです。
この国産ジェット旅客機に関して、これまで三菱重工はメディアへの
情報の提供にあまり積極的ではありませんでした。
かつて、取材で電話をしたところ、あまり色よい返事はもらえなかった
経験があります。
航空機の開発を行なう時、市場調査や開発資金の調達、利潤の追求は
はもちろん大切ですが、それよりももっと大切なのは、前回も触れましたが
国民の理解と後押しです。
最先端技術の集大成である航空機の開発は、やがて技術の波及効果
とともに、われわれの生活により多くの恩恵を与えてくれるものです。
ジュラルミンやチタンなど新しい金属の開発や、炭素繊維など複合材の
開発は、どれも航空機開発から生まれた新素材です。
今日では、われわれの身近な生活用品にこれらの素材が使われ、
その便利さに気付かなくなっていますが、20世紀の科学技術の発達に
航空機開発の果たした役割は、かなり大きいといえるでしょう。
(勿論、兵器としての側面もあることは確かですが)
様々な航空界の動きを分かりやすくお伝えし、航空に対する理解を
深めていただくこと、これが航空ジャーナリスト(私は自らを
日本初のアビエーション・コミュニケーターと称していますが)
としての役割だと思っています。
これからも多くの皆さんに飛行機の魅力を
分かりやすく伝えられるよう努力していきたいと思います。