2020年06月07日

地久天長(在りし日の唄)

長かった公開自粛の期間も終わり、映画館のスクリーンにも明かりが戻って来ます

まだ北京にも上海にもたくさんの人民服を着た自転車を漕ぐ人民が溢れかえっていたころ、人口抑制政策としての一人っ子政策がとられてから、もう40年近い月日が経ちます。

同じ年の同じ月に生まれた二人の男の子=シンシンとハオハオ、誕生日も二人一緒のケーキで祝い、まるで兄弟の様に育てられた男の子たちは大の仲良し。2人がとあるため池で事故に遭遇する場面から物語はスタートします。時代は80年代中ごろ、時代の波に翻弄されながら生きてきた二組の家族。高層ビルが立ち並ぶ現代の中国にまで続く二組の家族たちの物語、そして生まれることを許されなかったもう二つのいのちは・・・・・人口抑制のための法律に阻まれて、うっかり予定外の子供を身籠ったりしたら思い罰や罰金を受けなければならない・・・・政策に翻弄されながら、悲しみを胸に秘めながら大事に育てた子供は家出したまま行方不明に・・・・・

背景には中国の人と暮らしぶり、経済発展の経過なども織り交ぜながら二つの家族が直面した運命と生きざまを描いてゆく長編ドラマが中国映画『在りし日の歌』です。劇中にしばしば流れるテーマのような曲は日本でお馴染みの「蛍の光」として知られるスコットランド民謡Auld lang syneです。原題は「地久天長」原曲の中国訳です。

中国第6世代の映画監督と称される:ワン・シャオシュアイの編集は時としてトリッキーに、複雑な前後関係をみせるものの、意味的に繋がりがあるだけに回想シーンの見分けがつくかどうかが鑑賞ポイントのひとつ。 ベルリン国際映画祭最優秀男優賞&最優秀女優賞W受賞。その半生を演じ分けた出演者の演技力も、ですがどうも身近にいる某スタッフにとても良く似ているので、思わず彼の顔を重ね合わせて観てしまいます・・・・

180分近い長編のラストではあっと驚くような秘密も暴露されますが、勿論それは見てのお楽しみ。

4月3日(金)より、角川シネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか

| 15:51 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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