2016年05月26日

30歳の「写ルンです」

水曜日の番組,pop-upでご紹介したレンズ付きカメラのパイオニア、世間的には使い捨てカメラと呼ばれることもしばしばだった「写ルンです」は、レンズ、プラスティック・ボディのほか、大部分のパーツを粉砕,素材に戻して再利用するリサイクル製品だということは是非覚えておいて欲しい事実です。そんな撮影レンズの付いた画期的な写真フィルムも発売から30年,その写りの良さには最初ビックリしたものです。

DSCN1400.jpg初代発売のあと,ストロボ付き、デート機構、望遠写ルンですとか,キティちゃんバージョンなどバリエーションも増えました。水中カメラを買う前には「防水カバー付きの写ルンです」等がとても重宝したものです。20年前にはapsフィルムの登場で随分と小型化も達成。現像に出して手元にカメラが残らないのが惜しいくらいですが・・・・撮影せずにコレクションとしてストックしておくのもまた一興!


DSCN1206s91.jpg
シュノーケリングくらいの浅い(水深10mまで)赤道に近い明るい水中ならストロボ無しだって、御覧の様なクリアな映像が!ビーチに近いストアでも容易に入手でき,大きなストアなら,現像もその場でOK、CDに焼いてもらえばデジタル化も簡単です。

なぜこんな商品が実用化できたのかと云うと、そこはやはり技術の進歩があったからです。
高感度フィルムが真昼の明るさからある程度の室内光まで,広範囲にカバーできる様になったため,カメラ側で露出を調整する必要が無くなりました。かなりの露出オーバー、アンダーでもプリント時の自動補正でどうにかなっちゃうことから大体シャッタースピードが1/125秒、露出絞り値F=10 の固定露出データで撮影しています。晴天昼間の景色ならフィルム感度ISO100でも充分。曇天や夕方でも、高感度の800や1600フィルムならストロボ無しでも大丈夫です。

スプリング式の簡易なシャッター機構もまたユニーク。スプリングに抗してギロチンみたいな遮光蓋を引っ張ってゆくと(巻き上げ時),ほぼ一定の早さで元に戻り、一瞬だけ(撮影時)針の穴ほどの絞り窓が開きます。安定したシャッター・スピードを簡単な仕組みで実行できるところがミソ。小型のストロボが内蔵されたことも写ルンですの使い道を大きく拡げました.勿論電子回路等はリサイクルします。

デイライトの撮影なら電気も必要なく、フィルムを巻き上げてシャッターを押すだけの超シンプルさ。説明しなくっても誰にでも判り易いアナログなところも広く普及する大切な要因でしょうか。撮りたいと思った時にスグ買えてスグ撮れる,開封してポケットに忍び込ませておけば起動時間ゼロでスグシャッターチャンスでもあるのです。

http://fujifilm.jp/personal/filmandcamera/utsurundesu/promotion/lf30/

| 08:49 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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