2016年04月17日
慣れない場所であっても
震度7の地震が発生した14日夜から数えて三日目の夜、熊本県を中心に100,000人近い人たちが不安な避難所での夜を過ごしています。最初の地震発生から50時間余りを経てこれまでに確認された犠牲者は40人以上、このうち30人を超える方が16日の地震で命を落としています。その半数以上の死因は圧死によるもの。今回の地震による建物被害がいかに凄まじかったかを物語っています。
建物被害で良く似た光景を思い出しました。阪神淡路大震災で最初に家屋被害が報道された淡路島北淡町の光景です。今では震災にあった家屋の実物を展示施設として保存し、一般公開しています。一戸建ての住宅を文字通り引き裂くように走る断層のずれ。今回も同じような横ずれ断層の痕跡が確認されています。
さて、今回の地震報道を見ていて健闘が光ったのは汐留に本社を置く会社でした。地上波ではもちろんのこと、BS放送も他系列に先駆けて地上波と同じ地震特番を編成していて、渋谷の協会に勝るとも劣らない機動ぶりを見せました。今や地上波が全国に行き渡っているとはいっても山間部や海上など衛星頼みの地域も少なくはありません。地域の放送局がダメージを受けたら尚更のこと,衛星チャンネルの使い方でも各局で大きく考え方が分かれる結果になった様です。
汐留の奮闘ぶりは,渋谷の協会より早く何度かニュースの第一報を伝えたことでも判ります。また、大半がTVの音声を使っていた協会のラジオ放送が被災者に呼びかける様なスタンスで情報提供を重視していたのが印象的です。そして何より的確な判断だったのはどこかの官房長官の会見を生中継しなかったことです。案の定、作文を読み上げるのみだった、一次情報のない、無意味な会見を放送しなかったのは偉かったものだと感心しました。今回の報道を見ていて、とりわけNHKと比べてみて、つくづくTVは傍観者のスタンス,ラジオは呼びかけるメディアという印象を強くしました。
ここからは、19日追記分です
地震報道を見ていて、NHKと他局の違いは日を追って明確になってゆきます。災害報道は誰のために何の情報を送るべきなのか・・・・少なくともNHKの場合はこの点で議論を重ねた痕が見受けられます。民放キー局ではなかなか地元のスーパーの営業状況まで把握もできず、視聴者のニーズが根本から違っていることが分ります。
関西テレビが起こした不祥事に至っては言語道断。誰に向けて何の為に報道しているのか、全く考えていない素人集団。もう一度入社面接以前から叩きなおして欲しい問題ですが、競争至上主義の民間放送のあり方にもメスを入れる必要がありそうです。迷惑を受けてしまうのは被災地の給油待ちのドライバーたちだけではなく、同類に見られてしまう民放各社の同業者たちでもあるのです。「アンカー」と云う優れた報道番組を放送する局出あるだけに残念極まりない
※関西テレビのクルーを載せた取材、中継車が17日午前7時45分ごろ、熊本県菊陽町のガソリンスタンドの給油の列に割り込んで非難を浴びた件:信号待ちで給油待ちの列が途切れた所へ故意に中継車両を割り込ませ、前後のドライバーからの苦情にも応えなかったという問題で会社側には全く弁解の余地はない。そもそも、中継車両を見る限り燃料はガソリンではなく軽油だった可能性もあるので、スタンド店員に事情を話し、すいていたであろう軽油の給油機まで誘導してもらうなり、的確な方法があったはず。せめて前後のドライバーたちに理由を明示し、了解を得られたなら並ばせてもらうとか、給油済みの車両から10リッタ―でも譲ってもらうなどの方法は選択出来たはずだ!
閑話休題
さて、持っておくと被災した場合に何かと頼れるのがキャンピングセットです。緊急時以外にもたとえば引っ越し前後はとかく台所回りの行方不明物件が増えるもの。そんなときの救世主がキャンプ用クッキング・セットです!全てを単一の段ボール箱に納めてあるなら心配いりませんが、箸が出てこない! フライ返しはどこだ?大皿が見つからない・…不自由な生活は引っ越しにはつきものです。
大鍋から、フライパン、湯沸かしに、樹脂製の丼、おたまからおかず皿・・・・これにコンパクト・バーナーを加えれば、あと足りないものはすし桶やざるそば用のざるくらいのものでしょうか?台所用品が本格的に揃うまでの数日間はこいつがとにかく大活躍します。が、実は使い勝手を確かめるというプロセスも大切です。
昔、車ごと乗り入れができるキャンプ場でこんな場面に遭遇したことがありました・・・・・・・
RVの新型車に乗ってキャンプ場入りした若い家族連れ、キャンプ道具も一式全てピッカピカの新品のようです。キャンプ場では定番のC社製・ツーバーナーを前に、お父さん曰く「火がつかない」と不機嫌顔・・……たまたま隣に陣取っていた我が家の敷地にやってきて 「このバーナー、ガソリンも入ってるのに火がつかないんだがね・・・・・・」 と、いかにも販売員にクレームをつけるような仏頂面で助けを乞います。
「問題なさそうですけどね、ポンピングしてありますか?」と尋ねてみると案の定「○※△?■((+_+))」な反応。やっぱりなあ、イワタニのカセットコンロ同様コックをひねって着火すれば完了とお思いの様子である。まあ、ガソリン・ストーブに触れたことのない初心者なら無理からぬ話ではあります。問題はその態度だ! 自分の不勉強を棚に上げ、他者の不備だと主張する。モンスター・ペアレントという言葉を聞くようになったのはこのあと、程なくしてからのことでした。
数回だけ軽くポンピングして、わざと煤がたくさん出るような着火方法をご披露して、せっかくの新品のツーバーナーを真っ黒けにコーティングして差し上げたのに、ありがとうの言葉もなく、さも当然の対応のような顔をされてお引き取りになった「お客様」が再びこのツーバーナーをご使用になられたかどうかは知る由もありません・・・・・・・・・地震の話からはずれてしまいましたが・・・