2016年03月02日
知らぬ間に
1日は北米現地時間ではスーパーチューズデー、大統領候補選びの序盤にして有力候補には負けられない戦いです。今後は無所属のダークホース出現も否定はできませんが11月の選挙までにどんな展開が待ち受けているのか、閏年の大きな楽しみの一つです。
その頃日本の参院では石※大臣が自動車輸出入関税の答弁に苦慮しています。その中で質問に挙がった小型トラックは北米市場では欠かせない存在です。アコードやカムリが毎月売れるのと変わらない台数のフォードFトラックやトヨタピックアップが売れ続けています。
(左、70年代の人気車ダットサン
右、シボレー小型ピックアップ:現在)
昔はこのピックアップトラックを日本の街中でも容易に見つけられたものでした。 北米市場にも輸出され大人気に、あちらでは多くのユーザーが荷台に屋根を付けてワゴン代わりに使っていたほか、四輪駆動車に改造するキットが販売され、家族が乗れる分のドアが付き、そこからSUVが生まれ・・・・・。
日本で例えるなら軽商用車の軽トラに相当するカテゴリーですが流石にプリウスに迫る販売台数ではありません
日本でライトトラックといえばサンバーやミニキャブで知られた軽トラックがおなじみ。赤帽のあの車も昔のホットドッグ屋さんも軽でした。欧米のマニアックなファンにはハイリフトに改造した四駆が人気です。
写真はオートサロン出展車
※ 今朝の参議院予算委員会で某大臣が答弁に苦慮していた自動車関税を巡る問題・・・・・火種は70年代と意外に旧い話でもあります。あの頃はダットサントラック、ハイラックスといった大衆車サイズのピックアップトラックを国内で生産、販売していました。日野自動車はそれまでの乗用車生産をトヨタ小型トラック生産に切り替えたほどです。
実は北米市場にあって個人所有の小型トラックは自動車産業の米の飯!毎年発表される乗用車販売ナンバー1の座はしばしば日本車が名を連ねますが、実際にこれとほぼ同数売れているのはフォードやシボレーの小型トラックです。小型と言ってもダットサンの倍以上の馬力が出る大型ですが日本製強敵の出現前から関税で保護されたのがこのカテゴリーでした。
完成車輸入に対する25%の関税、は乗用車の10倍!勿論狙いは価格競争力をそぎ落とし、自国産業を保護すること!でも、部品の輸入なら該当しません。組み立ての最終工程前に出荷し、現地で最後の部品を取り付ければ自動車部品の輸入です。と、うまく逃れたにみえた日本製ピックアップ、しかし程なくこれにもイチャモンがつけられました
1980年代になってトヨタが発売したハイラックス・サーフの荷台にはカリフォルニアのユーザーが載せていたハードトップが載せられていました。荷台スペースだった所にシートも増やして乗用車として登録できるよう仕様変更しています。作る手間はトラックですが売り上げは乗用車・・・・今に繋がるSUVのルーツがこれでした。ダットサンは後席にもドアを用意して完全なワゴンボディ化、のちにトラックの背骨とも言えるメインフレームを内臓化したテラノが人気を博します。RAV4に至ってはトラックに由来する部分が見当たらずどこまでがトラックかの線引きを難しくしています。
韓国車の台頭でも回答に窮した某大臣、日本にいると存在の希薄な韓国車ですが世界的にはこちらが例外。大臣が経済担当記者だった20年前とは大きく違います。今や世界企業に肩を並べた財閥系重工業、傘下にライバル企業をおさめ、欧米の街角ではフォードと見紛うばかりの現代自動車が見慣れた風景となっています。韓国車と気付いている人がどれだけいるか?サムスンの例を挙げたくなるのも無理ないでしょう。
大臣にはさらなる勉強を望むところですが小型ピックアップも韓国車も見かけないガラパゴス市場は日本くらいしかないのが実際のところです