2023年09月16日

grantourismo

物語はイギリスの南端にくらす実在の家族の長男から始まります。
寝ても覚めてもグランツーリスモ=プレステの人気ドライブ・レースシミュレーションゲームに没頭の日々。

一方英国日産のマーケティング担当はある壮大なドリームプランを思いつき、横浜の日産本社に乗り込んで経営陣の判断を仰ぎます。
ゲームの世界で一〜二を争う技能を持つ10人を呼び寄せ、リアルに実車でレースをさせて育成し、日産チームのドライバーとして本物のレースに参戦させる。
こんな途方もないプランには信頼できるメカニックの助けが条件でした。ルマン出場経験もあるベテランはゲーマーの若者たちに、可能性はないと明言します。

実話をもとに日産GTアカデミーで育成されたプロドライバーの成長と師弟愛、家族の絆を描いた映画、グランツーリスモはただの車好き、ゲーマー向けの映画ではありません。
もちろん実写をふんだんに使ったレースシーンの迫力はデジタル映像ならではの緻密さも併せて、最高の出来上がりです。実際に何台ものGT-R、ルマンカー、ランボルギーニにアウディをサーキトで走らせ、その大サウンドも物語をスリリングに彩っています。

日産のみならずソニーやプレステ用ソフト・グランツーリスモを開発した‎ポリフォニー・デジタルの‎山内一典氏の全面的バックアップあってのこの企画。VW/AUDIグループの協力も見逃せません!高速でレースカーをチェイスする大型ドローンの映像もふんだんに取り入れて!

生まれて初めて出場するリアルの自動車レース、気持ちを落ち着かせるために彼が聴いている音楽はウチの車が納車された時に最初に聞いたのと同じエンヤのオリノコ・フロー🎵
前半、トントン拍子に進展するストーリーはシルバーストン、エステルライヒリンク(現レッドブル・リンク)ドバイなどの核サーキットを転戦し、運命のニュルブルクリンク・北コースに向かいますが・・・・
物語は一大転機を迎えます。ドライバー生命を左右しかねない状況の彼を取り巻くスタッフ、家族たちの想いが描かれます。よくできた脚本!と思いきや殆どがリアルストーリー
(実際のアカデミーでの使用車はGT-Rではなく370Zでしたが・・・)
そういえば、随分前に日産が前輪駆動でルマンに挑んだ薄いブルーのGT-R LM nismoを思い出しました。ルマンでそのハンドルを実際に握っていたのが彼だったのです。

現在も主人公ヤン・マルデンボロ選手はトヨタが主催するformula F3レースに参戦中(日産・トヨタのdoubleマークを背負って)映画撮影では実際にスタントドライバーも買って出ているので顔こそ映らずとも自らを演じてもいるのです。

映像、ストーリー(脚本)、それにサウンド等度どれも予想以上の出来栄えに、我がことのように嬉しくなってしまいました。
1回目はストーリーを、2回目は映像をじっくり鑑賞し、ついでにIMAXでも見ておきたい、一本で3度味わえる上質な作品です。
日産ファン、GTーRマニア必見なのはもちろん、ゲームもレースも見たことのない人に広く紹介したい作品です
(15日より全国公開・コロンビアピクチャー作品)

| 21:08 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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