2022年03月01日

highalert

ロシアが核戦力部隊にhigh alert =高度警戒体制を採るよう指示しました。
核戦力の行使もチラつかせた邪悪な行為とも見てとれます。
しかし見方を変えればロシアの焦りと見る事は出来ないでしょうか?最初からやる気ならあらかじめ侵攻と同時に命令しても良さそうなもの。
侵攻開始から100時間も経ってからのオーダーは、恐らく当初の短期決戦が思うように行かなかった事の裏返しにも見えます。

憶測されるようにロシアが数日のうちにキエフを陥落出来ると目論んだのであれば、現時点での状況はその意に反した第二フェーズに入ったと見ていいでしょう。
まだキエフ陥落までには時間がかかるかも知れません.そうなると敵地で包囲を続ける兵站、ロジスティックが気になります。数万の兵力は一日三食、悪くても二食以上は必要です。銃弾や燃料の補給も不可欠ですが、敵地のキエフ周辺までこれだけの補給をどのくらい想定していたのか?
もしも100時間に満たない短期を想定していたとしたら早急に補給路を確保した上でロジスティックシステムを構築しなければなりません。
ベラルーシからだけでも100kmに及ぶルートの安全を確保し続けるのは容易ではありませんし空荷の車両も即座に戻さねばなりません。直近の衛星情報では65kmに及ぶ車列が確認されており、この補給路がロシア軍の命運を支える文字通りの生命線となるはずです。

戦場以外でもロシアを取り巻く環境は経済制裁をはじめルーブルの為替レート低下、インフレ圧力にモノ不足の懸念と時間を追うごとに厳しさを増していきます。
ウクライナが抗戦すればするほどロシアに不利な要素は増え続けます。
第一回の停戦交渉は、もちろん合意には至らず時間稼ぎとも言える対話継続の結論に至りました。これもロシアに有利とは行きません。
一部の観測ではプーチン大統領の精神状態を懸念する情報まで流れ始めました。心神耗弱だと戦争責任は回避されるのでしょうか?

ロシア兵にもキエフ市民にも確実に犠牲者は増えている状況です。どちらがどんな形で停戦に合意できるのか?長期戦になった場合のロシアのデメリットは?
まだまだ分からない事ばかりのロシア・ウクライナ戦争です。

| 12:49 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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