2020年01月12日

7000rpm

フォードGTとフェラーリ・・・・だけじゃありません。アストンマーチンにMG-A、356スピードスター、シボレー・コルベットにキャロル・シェルビーが手がけたシェルビー・コブラ427・・・・のみならず、ロスの街を行き交うフツーのクルマ、トラック、グレイハウンドの長距離バス(フランス・ロケではシトロエンの旧いバスまで)に至るまで、当時の車両がきちんとそろえられているところはさすがハリウッド作品!!
冒頭の数シーンだけでも珠玉の名車たちが続々と登場するのが全米で興行成績首位デビューを果たした映画;フォード対フェラーリ。ルマン24時間を初制覇するまでのリアル・サクセス・ストーリー(フィニッシュ・ラインを超える瞬間までは)です。

マット・デイモン演じるキャロル・シェルビーはクルマ・マニアなら誰もが知る存在、対して、相棒のケン・マイルズは(決して有名とは・・・・)天才的な勘を持つ開発ドライバーで新型GTの開発には欠かせない存在、ですが超巨大企業フォード内でルマン・プロジェクトの音頭取りに勤しむリー・アイアコッカの心証は何故かよろしくない・・・・
実際のところ優勝を請け負った二人が戦っていたのは圧倒的なライバル;フェラーリではなくフォードの重役陣だった‥というのがこのお話の本筋です。

時代はアイアコッカが爆発的ヒット作「ムスタング」をデビューさせる前後から始まります。テレビからは人気ドラマ「可愛い魔女ジニー」(原題:I Dream of Jeannie)のテーマが流れています。当時のフォードはGMにやられっぱなしの万年二位、なんとしても会社のイメージアップが必須という状況でした。起死回生策としてルマン優勝のためにフェラーリ買収を画策するわけですが・・・・・

映画では当時のTdfや330が並ぶフェラーリ工房内やエンツォ・フェラーリ御大も忠実に再現。いや、フォードGTも映画用に量産されたレプリカで、惜しみなくキズものにした撮影はほぼすべて実車を実写したもの。60年代にはありえなかったカメラアングルも駆使して迫力の映像で楽しませてくれます。

栄光のルマンで先頭でゴールを切った、その後。これは是非映画で確かめて欲しいパートです。史実を知っていれば判り切った結末ですが、単なるサクセス・ストーリーだけでは終らないことがお分かりいただけるでしょう。
オトコとクルマばっかりで、オンナっ気のない中にあって紅一点(クルマ好きの人妻役);カトリーナ・バルフの存在も見逃せません。どこか親しみを感じてしまう美貌は見ていて飽きません。マットデイモンにもクルマにも興味のない人には何といって勧めたら良いか、悩みどころですがあっという間の2時間33分だったことは間違いありません。

| 11:45 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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