2021年11月01日

緊急事態と非常ドア

昨晩の選挙速報で何より驚かされたのは京王電鉄の乗客傷害事件でした。
Twitterには走り逃げる乗客の背後にオレンジ色の火柱もチラチラと見えており、その場の恐怖心を如実に物語っています。

しかし何よりも驚かされたのは国領駅に緊急停止した車両のドアがホームドアの開口部と合っておらずドアが開けない状態だった事ですが

報道では走行中にドア開放用の非常コックが解放された為に非常ブレーキが作動して,これが国領駅で正しい位置に停止するのを妨げたのが原因だと説明されています。仕方なく車内の乗客たちは上3分の1だけが開く窓ガラスからホームドアを乗り越える形でしか逃げる手段がありませんでした。

シート越しに乗り越える内側はまだしも、ホームドアの上から飛び降りることになる車外はかなりの落差があるので高齢者や小児には辛い方法だったかも知れません。
開いた窓から外に出られた今回はまだマシだった例です。最近の車両はことごとく冷房が完備しているのと引き換えに換気性だけは悪化の一途を辿って来ました。最悪は初期のJR209系車両で車端部の4枚のみが開閉可能。それも上だけが僅かに開くタイプでした。
ここで問題が顕在化したのが長時間の停電などで車内の換気が出来なくなった場合.実際のケースでは車内で気分を悪くした乗客が多発して,のちに臨海線車両のような開閉式のユニット窓に交換して対処を迫られています。
現在の山手線ほか首都圏の大多数を占めるJR車両の基本パターンはコレで、緊急時にはドアコックを開放して逃げることを前提として設計されているのが今回のような問題の遠因にもなっています。

昔は東海道線でもローカル線でも2段上昇式がデファクトで、駅弁を買うにも線路脇を走る少女タレントに向かって手を振るにも上半身を乗り出すように出来たものでした。空調の完備や転落防止の意味もあって完全にオープン出来る窓は減り、あるいは折角開けられる下段の窓を固定式にしたり、利用者としては有り難くない改造も増えたものでした。

ホームドアの緊急時運用も含めて今回の事件は車両の安全性にも大きな疑問を投げかけた格好です。北陸トンネル火災事故が車両の難燃化対策を推し進める結果となった様に、ハメ殺しのユニット窓の在り方も、、再度考え直してみるべきタイミングかも知れない。と思うのです。

| 16:02 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦


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