2021年09月24日

MINAMATA

50年前の1971年NY、老舗写真雑誌ライフで活躍したベテラン写真家ユージン・スミスはルーペでネガを選び印画紙にプリントを繰り返す。その右手にはルーペと共にいつもウィスキー

ライフ誌もむかしの勢いは無く部屋代や仕送りにも苦慮するユージンの元を日本のクライアントがCM出演の交渉に訪れる。通訳の日本人女性から渡された水俣の水銀中毒に苦しむ被害者を写した写真に目が留まったスミスはライフ誌の特派として水俣に赴いた。

写真集ミナマタで世界に衝撃を与えたユージンスミスの日本生活はこうして始まる。
そこには水銀汚染をやめようとしない公害企業と地元住民の戦いがあった。

俄ごしらえの暗室が謎の火事にあい、工場では暴行を加えられ、スミスはこの取材続行を困難とも考えた。
社長の企み通り、ネガを渡せば五万ドルのキャッシュも手に入る。

しかしそんな弱気な彼を奮い立たせてくれたのは地元の被害者達の強い意志と常に寄り添う20歳の女性の存在が...

製作陣にも名を連ねるジョニーデップにも負けず劣らずの熱演を見せるのが熊本弁で熱弁を振るう真田広之に、憎き敵役の社長を演じる國村隼ら。しかも撮影の大半はセルビア・モンテネグロに古い日本車や当時のミノルタ・カメラを持ち込んで撮影されている。

畳の部屋や屋根瓦,子役の日本人が準備できないなど制約の厳しさはあれど、この事実に基づくストーリーを映像作品に収めようという意欲はイヤが上にも伝わって来る。

作品にドラマ性を与える坂本龍一初め、トップクラスにスタッフが結集して出来上がった作品,ミナマタは今も終わらない公害との戦いに楔を打ち込む一本に

スミス氏の没後も未だに水俣と向き合って闘い続けるアイリーンスミスを演じる女優MINAMAMIの妖しげな魅力も見逃せない。

| 19:29 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦


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