2023年04月08日

metro lesson

この春新たに東京で生活をスタートするみなさんは乗り換えアプリをご利用だろうか?行き先と料金だけ分かればそれでいいと言う貴方はさっさと他のサイトをお探しなさい。
日比谷線が何故広尾から大回りして虎ノ門ヒルズまで蛇行するのか?パンタグラフや架線のある無しレール幅は何故統一されていないのか?不思議に思っているなら、ちょっとお時間を頂戴致しましょう。
これを知っておけば電池切れでも頭に路線網が描けるはず!ついでに地下鉄好きになっているかも!

地下鉄車両の内側や外側には01-&&&とか1&&&&と言った車両形式が表示されているので探してみてください。これがおおよそ路線の完成した順序.トップバッターは現在の銀座線です。

東京の街に最初に地下鉄が走った頃、地上は路面電車で埋め尽くされていました。まだまだ渋滞も酷くなかった頃、わざわざ地下鉄を選ぶお客は物見遊山が相当いたそうな、ということで最初の路線は上野浅草間でした。
同じ頃渋谷新橋間を結ぶ別会社が登場し、両者は路線を伸ばして新橋で乗り換え可能になります。つまり地下鉄新橋駅が二つ存在したという・・・・マニアならご存知ですね、一つは今も使われないまま遺構として残っています。

渋谷新橋間には山手線も路面電車もすでに走っていました。そこに乗り込んで来る位だから、需要は確かにあったのでしょう。後になって路面電車が廃止された後も6番路線として同じルートを都バスが走っています。
都バスは渋谷から六本木通りを通って、六本木ヒルズ前を経由、赤坂アークヒルズを過ぎて溜池交差点から真っ直ぐ新橋に向かいます。
これが地下鉄だと青山通りを赤坂見附に向かい、そこから溜池交差点の方に進行方向を変えます。つまり、渋谷溜池間は全く別のルートを辿ったわけで、当時の強かなマーケティング戦略が窺い知れます。
青山通りと六本木通り、どちらを取るか?地下鉄開業当時の人が今日の繁栄を予測していたかどうかは謎ですが、路面電車の先客を奪わぬよう、棲み分けを考えて青山経由にしたのかもしれません。沿線には表参道や東宮御所、明治神宮外苑などの定番観光地も点在します。新橋までの時間短縮を狙うならこのルートは狙わなかったでしょう。

玉電や東横線が乗り入れることになる渋谷と、オリジナルの鉄道発祥の地、新橋はもちろんJR線でも繋がっていますが五反田、目黒をぐるりと遠回りしなければならず路面電車が六本木通り経由だったのは時間短縮を図ったゆえの選択だったかもしれません。

東京に2番目の地下鉄路線が誕生するのは太平洋戦争も終わってしばらくの頃、さてどことどこを結ぶ路線がいいだろう?
当時のプランナーも色々試行錯誤したことでしょう。その話はいずれ続編で・・・・・

フレッシャーズのみなさん。渋谷・新橋から六本木ヒルズにお越しの際は都バスが便利です。渋谷駅からはヒルズまで直行の路線もあるので探してみてください。

| 05:43 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦


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