2022年11月17日

Covidと貧困国日本

大学の後輩でジャーナリストの樋田敦子最新作「コロナと女性の貧困2020-2022~サバイブする彼女たちの声 ...」を読んで見た

実は日本は貧困大国だった!!
・・・・そう気付かされるキッカケをもたらしたのが今回のコロナ禍だったのかも知れない。

それは予想外に根深く深刻な話であることが筆者の継続的な取材から見えて来る。何も食事を切り詰め、生活保護を頼るかどうか?悩むだけが貧困とは限らない。

高校授業がリモート化されると言っても機材は自前.公立校は義務教育ではないので自治体からの補助は無い。私立校との差別になるからだ。
年間通信費等に10000円以上の出費は厳しいと答える親が実に3人に1人、6パーセントは一円も出せないと訴える。パケット代を気にしながら恐る恐る授業を受ける子どもたちに教育の機会均等をアピールしても空々しいだけ。

女性の生理を巡ってはもっと深刻な実状が浮かんでくる。衛生用品を必要とする女性の実に4分の1が充分な量を揃えられず、学校や職場を休んだり、節約したり代用品で済ませたり、場合によっては就職面接をふいにしてしまうケースさえも。
公的な無料サービスも俄に脚光を浴びたが派遣非正規の半分以上を占める女性に対して行政や政策の無関心さには呆れるほどだ。

エキセントリックなニュースに応じた思いつき政策の犠牲となるのはいつでも個人や弱者たち。組織ぐるみでのアピールもできない個人商店主ら、いきなりの営業自粛を命令されて困窮する飲食業さたち・・・・
貧困はこうした弱者たちを容赦無く襲います。


読んでいて、楽しいとかスリリングだとかエンタメ性を感じる作品ではなく、最後まで読み進めるうちにどうしようもない絶望感に襲われます。
筆者はよくもこれだけ長期に渡り辛い内容の取材を続けたものだと感心させられますが、この作品が直面している日本の現実を最も読んでほしいのは、行政や立法に携わる議員のセンセイ方ではないだろうか??
もしも私の年収の頭か末尾にせめて1か2でも加わっていたなら、国会議員分のこの本を買い漁って議員会館に一人一冊ずつ配って差し上げてもいい。
え?総理は忙しくてほんなんか読んでる時間がない??だったら、移動中の公用車や政府専用機の機内で聞き流せるように、私が朗読した音声ファイルを送って差し上げてもいいんですよ!

| 08:36 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦


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